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夜明けの街で

夜明けの街で
By 東野 圭吾

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  • 発売日: 2007-07
  • 版型: 単行本
  • 336 ページ

エディターレビュー

出版社 / 著者からの内容紹介
渡部の働く会社に、派遣社員の仲西秋葉がやって来たのは、去年のお盆休み明けだった。僕の目には若く見えたが、彼女は31歳だった。その後、僕らの距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。しかし、秋葉の家庭は複雑な事情を抱えていた。両親は離婚し、母親は自殺。彼女の横浜の実家では、15年前、父の愛人が殺されるという事件まで起こっていた。殺人現場に倒れていた秋葉は真犯人の容疑をかけられながらも、沈黙を貫いてきた。犯罪者かもしれない女性と不倫の恋に堕ちた渡部の心境は揺れ動く。果たして秋葉は罪を犯したのか。まもなく、事件は時効を迎えようとしていた・・・。

内容(「BOOK」データベースより)
幸福な家庭で起きた殺人事件。まもなく時効を迎える。僕はその容疑者と不倫の恋に堕ちた―。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
東野 圭吾
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大工学部卒業。エンジニアとして勤務しながら、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

もう少し最後の一滴まで絞り出して欲しい3
不倫に溺れる中年男の描写はよく書かれていて、自分もこうなってしまったらどうしようと怖かったが、ラストが少し淡白で「あーそう」で終わってしまった。もう少し最後の一滴まで絞り出せたんじゃないかなあ。最近の東野圭吾はラストがあっさりだが、僕はもっとずしりと重いボディーブローを期待している。多くの読者もそうじゃないのか?

不倫を考える中年おじさんにはドキドキ物でしょう4
東野圭吾が恋愛小説?どうもぴんと来ないものの、不倫をどう捕らえているのか興味津々で読みました。
クリスマスやら、バレンタインデーやら各種イベントのたびにアリバイ作りに躍起になる主人公。彼女といると家庭を考え、家庭にいると彼女のことを考えている中年男の揺れる気持ちは、さすが東野圭吾!上手く書かれています。家庭を壊す気持ちはないくせに心とは裏腹に、彼女の前では「誠実な男」であり続けるさま、家庭では「よき父、夫」であり続けようともがくさまは、滑稽ですらあります。
不倫のストーリーに加え、彼女はまもなく時効を迎える殺人事件の容疑者というミステリー的要素も盛り込み、東野作品らしさもあるのですが、こちらのほうはそれほどのスケールではなく、謎解きを期待する人には物足りないかも。

これはこれで面白い。4
赤い糸か。そんなものはない。これは断言できる。

ふとしたきっかけで不倫関係に陥った渡部。そして、不倫相手の秋葉には、15年前の殺人事件の疑惑が浮上した。

ありえないぐらい一途で、報われない男の愛を「白夜行」や「容疑者Xの献身」で描いてきた東野氏であるが、本作の主人公は全く毛色がちがう。いわゆる普通のおじさん。かっこよくもなければ、強い決意も、覚悟もない。でもその分だけ、彼の反応には共感できる部分が多い。

不倫に陥ったまじめな男の心理が非常によく描かれている。相手への誠意を尽くそうとする気持ちと、安定した生活を捨てて、奥さんとの修羅場を選ぶことをためらう気持ちとの葛藤。身につまされる話だ。

ミステリー部分は、まあそんなものかな。という程度であるが、不倫の心理描写の部分は、番外編の「新谷君の話」も含めて、非常にリアルで面白い。

東野氏の他の作品のような「熱い」思いはないが、これはこれで楽しめる作品であった。