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ワルツ 上

ワルツ 上
By 花村 萬月

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  • Amazon.co.jp ランキング: #270252 / 本
  • 発売日: 2008-09-25
  • 版型: 単行本
  • 440 ページ

エディターレビュー

内容紹介
終戦直後の新宿。特攻崩れの城山。任侠の憧れ、のし上がろうとする朝鮮人・林敬元、そして疎開先で犯されそうになり、東京へ流れてきた生娘・百合子。三人が出会った時、底知れぬ恋情、壮絶な運命の物語が幕をあげる

内容(「BOOK」データベースより)
昭和20年。荒廃した新宿でわずかばかりの金と十箱の煙草で、組事務所の襲撃を請け負った特攻くずれの城山龍治。美貌と性技で女を篭絡し、明晰な頭脳でのしあがろうとする朝鮮人、林敬元。訳あって東京へと流れてきた天涯孤独の生娘・岡崎百合子。過酷な運命に抗いながら、見えない糸で絡まりあっていく三人の壮絶な人生を描破し、現代人が忘れてしまった人間の本性と闘争、そして底知れぬ恋情を謳い上げた昭和スペクタクル小説。

著者について
1955年東京生まれ。小社刊行の『ブルース』で一躍脚光を浴び、98年『皆月』で吉川英治文学新人賞、同年『王国記』シリーズの序にあたる『ゲルマニウムの夜』で芥川賞を受賞。苛烈な暴力、濃密な性描写、揺るぎなき哲学で、人間の本性を抉る唯一無二の作品を描き続けている。


カスタマーレビュー

久々に大満足5
「ブルース」、「笑う山崎」で花村萬月の大フアンになった私には、久しぶりに満足のいく作品でした。やはり花村萬月の小説はこうでなくっちゃ。

暴力と官能、ほとばしる浪漫の薫りが充満する熱い1冊。5
“昭和のスペクタクル小説”って謳い文句だけど、これって、まるでかっての東映任侠映画に日活ロマンポルノそのままじゃないか(もちろん、極上の)。読了後、そう思った。
主人公は特攻くずれ、品格なき唾棄すべき国家、卑劣で虚勢を張った上官たちを忌み嫌いながら、死に損ねたまま終戦を迎え、虚無感と無為のまま、死に場所を求めて僅かな煙草と金銭で愚連隊組織を皆殺しする事を請負、直刀片手に乗り込む男。片や、留学生として日本に来たものの、インテリの偽善さと傲慢さを疑い、差別への理不尽さ、屈辱感をバネに、任侠精神こそ信じえる唯一無二の世界と確信する美顔の朝鮮人、そして、戦争で何もかも失い路頭に迷う処を任侠やくざに拾われる健気さと清廉さを兼ね備えた美貌の女。
これは、戦後の混乱期、焼け野原となった瓦礫の無法地帯東京を舞台に、絶望と喪失の彼方に根ざす生存への希求と魂の鼓舞に命を燃やす者たちの熱い情念のドラマ。そして、自らのアイデンティティを模索する物語。激情的な彼らの生き様に引きこまれつつ、その痛烈な反国家主義の明確さに、花村萬月の思想を見る。
天皇の人間宣言、公職追放命令、婦人参政権、GHQによる戦後民主主義政策に、ヒロポン、ズルチンを始め、戦後間もない新宿の社会風俗が濃厚に書き込まれている。
戦争で焼き出され何もかも失ってしまった者たちの痛切感、愛する男たちの為に自ら楯になって死んでいくパンパンたちの愛おしさに泣ける。
暴力と官能、ほとばしる浪漫の薫り充満する3部作の序篇。彼らの顛末を見届けるのは2ヵ月後、年末に駆けての楽しみが増えた。

残念ですが、花村作品として、すすめられません。1
この作者の作品はほぼ全部読んでいますので、要求水準が高すぎるのかもわかりませんが、本当に残念ながらレベルに達してはいません。時代考証がしっかりしてるのに荒唐無稽な筋立てです。この点についてはエンタメの舞台として許し評価する方もいるかもわかりませんし、私も、昭和残侠伝の花田秀二郎だって、不死身の男で20人切り殺しても逮捕されないのですからそうは思うのですが、それは気持ちがいいからです。こんなカタルシスが得られない結末ではいかがなものでしょうか。どなたかが女性に共感できると書いてましたが、触れた手から電気が走る清純な愛情より強姦されてできた腹の子の父親がいいのですか、それじゃ娯楽小説として無茶苦茶な評価以前の問題です。それに主人公を○○するのは禁じ手です。加えて最後の100ページは枚数合わせの蛇足と私は申し上げざるを得ません。