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約束 (角川文庫)

約束 (角川文庫)
By 石田 衣良

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  • 発売日: 2007-06
  • 版型: 文庫
  • 248 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
親友を突然うしなった男の子、リストラに晒され、息子に侮蔑されながらも日常に踏みとどまり続ける父、不登校を続ける少年が出会った廃品回収車の老人、女手一つで仕事を抱えながら育てた息子を襲った思いがけない病―苦しみから立ちあがり、もういちど人生を歩きだす人々の姿を鮮やかに切り取った短篇集。たくさん泣いたあとは、あなたの心にも、明日を生きるちいさな勇気が戻っているはず。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
石田 衣良
1960年東京都生まれ。成蹊大学経済学部卒。広告制作会社勤務後、コピーライターとして活躍する。97年『池袋ウエストゲートパーク』でオール讀物推理小説新人賞。同作品はドラマ化され、社会現象となるほどの人気を博した。2003年『4TEEN』で第129回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

再び生きるために5
ときどきふとした瞬間にフラッシュバックが起こることがある。PTSDはおそらく生きている限り、消えることはない。この作品を新聞広告で知り、すぐに本屋に買いに走ったのは、表題作が池田小学校の事件を題材にしたものと知ってであった。
これまで遺族の方々の作品はすべて読み、犠牲になった方々の冥福を祈り、残された遺族の方々に思いをはせた。もし、それが自分だったら、果たして、正常に生きていけるのか、おそらく生きてゆけないのではないか、と思っていた。
悲しみや恐怖は消えることはない。それは十字架なのだ。
しかし、明日はまた日が昇り、私たちは与えられた生を生きる。
がんばらなくてもよい。ただ、生きればよいのだ。
どんなに抱えきれない傷を負っても、生きることを許された身である限り。

表題作は重かったが、個人的に忘れられない印象的な作品が、2作目の「青いエグジット」。リストラされた父親、引きこもりの上、片足を失った子、と、これもまた重いテーマだが、登場人物に非常に親近感を覚え、勇気をもらえた。
人間は年を重ねると共に、大変なことばかりが多くなってゆくのは、みんなそうなんだ、という連帯感。そして、「底付き」ともいえる状況下で、「マイナスばかりの決意が生きる支えになるなど、若かったころには想像さえできなかったことである」と開き直れる人間の強さといとおしさ。
我が子がいつも口ずさんでいる「いいな、いいな、人間っていいな」という実感を
人間は最後の日まで持ち続けることができるのかもしれない。

この著者に対しては、鬱病とか、障害者の福祉とか、シングルマザーの問題とか、メンタルヘルス系のコメンテーターとしてテレビに出演しているのを見て、
親近感を抱いた。社会的に弱い者の気持ちに寄り添い、優しく慰めてくれるような
著者の人間性を感じさせる文章が個人的に好きだ。

かけがえのないものをなくして、また、深い心の傷をもてあまして、
心療内科に通い続けている人はたくさんいる。
人間は機械じゃないから。自分の容量MAXを超えてしまったら、
誰かに助けを求めたい。
そして、私にとっては、この作品は、
どんな心療内科の先生のカウンセリングより、
心に響き、残るものでした。

忘れられない思いがきちんと刻まれる本4
石田衣良、新刊。というシンプルな理由で手元にきたこの本。
読みやすい通勤読書に最適かと思っていた。表題作の「約束」は、一行目からいやな予感がし、
5ページめですでに読み始めたことを後悔した。
重い。小学生の親友の死。読み進めるがつらい・・・。通勤読書に向かない。
それならそうとちゃんと書いといてくれなきゃ、と思いながらもう少し読み進めたら、
なんとこれがちゃんと前を向き始めて、人って強いんだなぁと感じる。
そしてこのパターンで次から次へと作品が押し寄せ、抜けられなくなる。一気に最後まで。
最後のあとがきを読んだ後、もう一度、ひとつひとつを思い出すと、また違った気持ちになりました。
でも最後の「ハートストーン」は、ぜひぜひ誰もいないところで読んでください。
涙がこぼれて恥ずかしいです・・・

約束3
初めて作者の短編集を読みました。内容はシンプルでしたが、石田衣良さんのさりげない表現がとても心地よかったです。何の約束?と最後まで思いながら読みました。男の子の勇気と友情、とてもいいなと思いました。通り魔に刺された一人の勇気ある小学生、残された者の方が辛いと言う現代をよくあらわしているなと思いました。