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殺人の門 (角川文庫)

殺人の門 (角川文庫)
By 東野 圭吾

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  • 発売日: 2006-06
  • 版型: 文庫
  • 617 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
新直木賞作家が紡ぐ、衝撃の問題作!
あいつを殺したい。奴のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。でも、私には殺すことができない。殺人者になるために、私には一体何が欠けているのだろうか…。心の闇に潜む殺人願望を克明に描く、衝撃の問題作!

内容(「BOOK」データベースより)
「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔の如きあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。そして数多くの人間が不幸になった。あいつだけは生かしておいてはならない。でも、私には殺すことができないのだ。殺人者になるために、私に欠けているものはいったい何なのだろうか?人が人を殺すという行為は如何なることか。直木賞作家が描く、「憎悪」と「殺意」の一大叙事詩。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
東野 圭吾
1958年大阪生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞を受賞。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

ハラハラよりイライラさせられるミステリー・・・3
恵まれた家庭に育ち、やがて不幸へと傾いていく主人公・田島和幸と、彼の人生を狂わせる倉持修の物語。

田島はあるきかっけから殺人に興味をもった。その興味が、倉持の出現によって具体化する。小学校時代から大人になってもなお、倉持が現れては田島を不幸へと導く。何度も煮え湯を飲まされ、他人にも平気で酷い仕打ちをする倉持を憎み、殺したいと思う。しかしその憎悪は実際に殺人を犯すまでには至らない。田島はなぜ殺せないのかと自分に問う。そして憎悪が殺意に変わる限界点を知りたいというある種の強迫観念に取りつかれ、倉持との関係を断ち切ることができなくなる。結果、ますます転落の人生を歩む羽目になっていく。

一方で二人を結びつけているのは殺人というキーワードだけではない。「この世の誰もが騙されるであろう真剣な光」が倉持の瞳には宿っており、田島がそれを信じてしまうためだ。そうして二人の歪んだ関係は続いていき、最後には・・・・・

というのがあらましであるが、殺意をテーマに歪んだ関係を描いた問題作と評価する向きもあるだろう。しかし、わたしには、
  ・田島があまりにも簡単に騙されすぎる
  ・騙されてもなお「心底彼を恨んでいる者はいない」という倉持の魅力的な人物像が見えてこない
などの理由でいまひとつ好きになれなかった。何でこんな人にあっさり騙されるのかと、歯がゆくて苛ついてしまうのだ。

本書で改めて感じたのだが、一人称で書かれた東野作品とは、自分はあまり相性がよくない気がする。個人的な好みが入っているが、期待値の高い分、星3つ(弱)とさせていただく。

とにかく暗い(笑)3
とにかく救いようのない主人公。
この一言に尽きると思う。

「いい加減学習しろよ!」

と何度本に向かって突っ込みたくなったことやらw

自分の不幸は何もかも倉持のせい、としているけれど、最終的決断を下したのはすべて主人公自身。
だからこそ、殺人を犯すまでの殺意には結局至らないでいる。

ハッキリ言ってヘタレだ(笑)

それだけ苦しめられているのならば、なぜ一切関わらないようにしないのか。
もう二度と騙されない、と決意しながらも何度も何度も騙される主人公。
結局は離れられない絆みたいなものがあったのかも。

数々の伏線の張り方は、「白夜行」に通じるものがあるかも。
最後のオチ(?)はなんとなく予想できたものではあったけれど
さすがに、「あそこ」までとは思ってなかったなぁ…うん。

600ページ以上もある長編であるにもかかわらず一気に読めたのはさすが東野圭吾。
でも、やっぱりなんとも言えない後味の悪さみたいなものを感じずにはいられないかも。

どよーん、と暗くなりたい人にはオススメできる作品です。

馬鹿な主人公にイライラ。でも…。4
一見思慮深いもののモノの見事に騙されつづける馬鹿な主人公にイライラ。
途中読むのをためらうことも。

しかし、こういうことかも?と頭をよぎる。
傍から見ていたらありえないお馬鹿な選択なんだけど、でも
当人としては極めて論理的な冷静な判断だったと、(それが滑稽なんだけど)
実際はそういうものなのかもしれない。と、
背中がぞくっとする恐怖を感じた。

ラストシーンも主人公は救われず。

自分(だけ)は違うよな、と自分に言い聞かせた、言い聞かせたくなった一冊。