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マダム・エドワルダ―バタイユ作品集 (角川文庫クラシックス)

マダム・エドワルダ―バタイユ作品集 (角川文庫クラシックス)
By G.バタイユ

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  • 発売日: 1976-02
  • 版型: 文庫
  • 271 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
これまでに出逢ったどんな娼婦とも違うマダム・エドワルダ。彼女に導かれ、陶酔と死とが絡み合った美の瞬間が繰り広げられる…。エロティシズムの極限を描く啓示的な一夜の物語。(生田耕作)


カスタマーレビュー

シュールな哲学小説5
『おれの苦悩はついに至高の王座にのしあがった。廃されたおれの王位は街路にさ迷い出た。追っ手を尻目に―周囲には墓場の沈黙―恐ろしい何者かを待ち伏せ―だがこの悲しみは一切を笑い飛ばす』

ここから物語とも言えない物語が始まりますが、これまで難解で有名な哲学者バタイユの著作を一度も読んだことがなく、彼の思想に一度もふれたことがない方は、このつかみどころのない夢の記述のような小説に、かなり戸惑われることと思います。(ちなみにバタイユの文章はヒエログラフを解読するような(!)絶望的な難解さで有名です)

さらに表題作『マダム エドワルダ』(構想では三部作)を一望に見渡す窓であり、バタイユのエロティシズム観のエッセンスが凝縮されているという『序文』が本書には収められていないのは痛い! 

でも幸いなことに『あとがき』でこの重要な部分について多くページを割いて、訳者の生田耕作さん(いつも素晴らしい翻訳)が詳しく説明されているので、本書はまず最初にあとがきから読むことを強くおすすめします。
(『エロティシズムは死にまで至る生の称揚である』という彼の有名なフレーズを知っているだけでも、ずっと読みやすいかも…)

この『マダムエドワルダ』はとても短く、読み終えるのに10分もかからないかもしれませんが『小品ながら完成度の高さにおいて、バタイユの全作品中で最高の位置を占めるもの』ということでち?し、池田満寿夫さんの表紙の挿画も美しいので、立ち読みではなく(!)ぜひ購入してゆっくり読んでほしい一冊です。他にも『死者』、バタイユの処女作『眼球譚』も収録されています。

ちなみに澁澤龍彦『エロスの解剖』(河出文庫)の中に『エドワルダ夫人について』というエッセーがあります^^
ご参考まで…。

興味があるなら…5
この本には「眼球譚」も収録されています。
私はマダムエドワルダはちょっと具体的すぎて感情のシンクロ率は眼球譚ほど上がりませんでした。
世の中には自分が異端である、という事を感じながら生きるタイプの人間が居ると思います。
生きる、と言う事はおかしな事です。おかしな事だと感じてしまう自分は異端だと考えます。
私達の持っている倫理観なんて狂ってますね。
でもそんな世界で生きている。
とかなんとか考えるのが好きな人にとって狂った社会で生きるのも楽しいよ!と作文しているバタイユの小説を読むと、世の中楽しいじゃん!と思えます。数少ない感情に訴えかける本能と感覚の小説。
妄想内の安全で唯一至高の官能。

生田耕作に敬礼4
正直なところを書くと、冒頭の小説「マダム・エドワルダ」にはあまり感心しなかった。「死者」「眼球譚」のほうができがいいからである。逆に言うと、「マダム・エドワルダ」のみの本だったらこの本は☆3つくらいだろうな。
翻訳はジュネ「葬儀」などで知られる生田耕作。このどぎつい、かつマジメな奇怪小説をよくぞ翻訳してくれました。正直、他のバタイユ本には感心しなかった。が、本書は例外である。話は変わるが、バタイユはニーチェ同様、苦痛の末、亡くなったそうだ。かわいそうに。
そこら辺のエロ本よりも本書は刺激的であろう。まあその点は置いておいて、こんなへんちくりんな本をうまい日本語にしてくれた生田耕作にはいくら感謝をしてもしすぎることはない。ありがとうございます。