商品の詳細
ダリの繭 (角川文庫―角川ミステリーコンペティション)

ダリの繭 (角川文庫―角川ミステリーコンペティション)
By 有栖川 有栖

価格: ¥ 700 1500円以上は送料無料 詳細

発送可能時期: 在庫あり。
販売、発送は Amazon.co.jp

73 新品/中古商品価格 ¥ 1

おすすめ度:

商品の詳細

  • Amazon.co.jp ランキング: #75096 / 本
  • 発売日: 1993-12
  • 版型: 文庫
  • 443 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
サルバドール・ダリの心酔者の宝石チェーン社長が殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルに隠された難解なダイイング・メッセージに挑む推理作家有栖川有栖と犯罪社会学者火村英生!

内容(「BOOK」データベースより)
幻想を愛し、奇行で知られたシュール、リアリズムの巨人―サルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けた、この天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が…。事件解決に立ち上った推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なダイイングメッセージに挑む。ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。

内容(「MARC」データベースより)
幻想を愛し、奇行で知られたシュールレアリズムの巨人、サルバドール・ダリ。彼に心酔してやまない宝石チェーン社長が殺された。事件の果てに浮かび上がる意外な真実とは? 93年に刊行された文庫の新版。


カスタマーレビュー

火村英生が苛まれる自分自身の繭4
火村&有栖川コンビの二作目です。本書はタイトルが示す通りサルバドール・ダリの世界観をフィーチャーした物語に仕上がっています。
自称天才にして奇行で知られたこの画家の作品や、その赤裸々な私生活が作中にエロチックにしてグロテスク、いびつにして美しい雰囲気を
漂わせています。夢かうつつか判らない超現実的な世界観。。

さて、火村先生のフィールドワークになる肝心な事件の概要と言えば、、ダリを偏愛してやまない宝石店の社長が週末を利用してやってくる
別邸において自身愛用のフロートカプセル(人の体温と同じにして特殊な液により全身をぷかぷかと浮かべながら瞑想できる装置!)の中で
無残に事切れている状態で発見されるという不思議な現場。しかも何故か彼がダリを真似てたくわえていた自慢の髭が剃られていた(!?)。

本作品の魅力は動機解明が面白い所。ワンマンゆえに仕事上の怨恨を抱えていたいのか?二人とも母親が異なる弟との関係?男女の三角関係?
と被害者をとりまく人間関係が入り組んでいる。それを火村・有栖川コンビに加え樺田警部や野上刑事などの魅力的な人物が加わり、俗に
言う裏を取る作業に没頭していく訳ですね。序盤で重要な意味を持っていた人物が後半で簡単にまびかれてる所とかは多少竜頭蛇尾な感も
なきにしもあらずだが、全体的には最後まで犯人をさとらせず飽かせません。
それに加え、犯罪者を裁く法律自身のあり方に、犯罪被害者の責任の有無などを火村視点で鋭く講義するあたりも魅入るし、オタク文化などを
とりあげて語られる現代人それぞれの繭=現実逃避の定義も甚だ感銘する事間違いなしですね。
また終わり良ければすべて良しのアクロバットな締めくくり方も豪胆で好かったりする。。

ますます好調5
有栖川&火村コンビ第二作。二人のボケツッコミ(主に有栖川のセルフボケツッコミだが)もスムーズになってきていて、まずはそれが楽しい。
舞台設定は奇妙だが、毎回のことながら人物設定が巧みで書き分けもわかりやすい。最後まで二転三転する推理も飽きさせないし、本格推理として期待を裏切らない作品だ。

殺人事件とは哀しいものだが、陰鬱に終わらない読中感、読後感も、悲しみを損なわずに余韻を残す。
有栖川も知らない火村の過去も、次作『海のある奈良に死す』以降でも少しずつ明らかになっていくことだろう。こちらも興味津々だ。

加筆版です5
この単行本は、元々文庫書き下ろしとして角川文庫で上梓されたものの加筆版。
有栖川&火村コンビ第二作。
二人のボケツッコミ(主に有栖川のセルフボケツッコミだが)もスムーズになってきていて、まずはそれが楽しい。

舞台設定は奇妙だが、毎回のことながら人物設定が巧みで書き分けもわかりやすい。動機は恋愛かそれとも財産争いか?という正に「色か欲か」という基本だが、容疑者が次々と出てきては最後まで二転三転、火村もあちらこちらへと迷う。本格推理として期待を裏切らない作品だ。

「国名シリーズ」の短編が限られた紙数の中でのアイデア勝負、純粋パズルの一気呵成な感じであるのに対し、長編はじっくりと二人のやりとりが楽しめる(この傾向は、長編最新作『マレー鉄道の謎』ではアリスの余裕も垣間見せつつますます期待が高まる!)。

特にこの『ダリの繭』では火村の意外な面や微笑ましいやりとりが多い。何せ、のっけからアリスの出版と火村の誕生日祝いを兼ねてフランス料理屋で食事である。友人が少ないのかどうなのか。もちろんこのシーンも本編に関係があるところがまたにくい。その他にも・・・(あとは本編でご確認を)

陰鬱に終わらない読中感、読後感も、悲しみを損なわずに余韻を残す。枝葉の部分の構築も細かくて隙がない。
特に犯人が明らかになる大詰めの書き方は悲しくもすがすがしい。
有栖川も知らない火村の過去も、次作『海のある奈良に死す』以降でも少しずつ明らかになっていくことだろう。こちらも興味津々だ。