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イグナシオ (角川文庫)

イグナシオ (角川文庫)
By 花村 萬月

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  • Amazon.co.jp ランキング: #636502 / 本
  • 発売日: 1999-02
  • 版型: 文庫
  • 314 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
神父や修導士の厳しい監督のもと、社会から完全に隔離した集団生活―修道院とは名ばかりの教護施設で、混血児イグナシオは友人を事故に見せかけ殺害した。修道女・文子は偶然現場を目撃するが、沈黙することをイグナシオと約束する。“人を裁けるのは、神だけです。”静謐に言い放つ文子にイグナシオは強く女性を意識し、施設を脱走する最後の晩、初めて文子と結ばれる。そして、己の居場所を探して彷徨い新宿歌舞伎町に辿り着いたイグナシオは、新たな生活を始めるが…。芥川賞受賞作と対なす記念碑的名作、待望の文庫化。

内容(「MARC」データベースより)
施設で育った美少年イグナシオは友人をバットで殴殺、施設を逃げ出してアンダーグラウンドのヒーローになっていく。そんなイグナシオの修道女文子への思い、愛への渇望が生む性衝動と殺意…あまりにも純粋な愛と暴力の物語。〈ソフトカバー〉


カスタマーレビュー

HaveYouEverSeenTheGod3
美しきあいの子。親の存在を知らず教会で育てられた少年・イグナシオ。日本人であって日本人ではない、その行き場のないアイデンティティと、人並みはずれた驚異の知能が、イグナシオを殺人者に変えてゆく。だからイグナシオは神の存在を肯定し、しかし、自分に神のご加護は無いといいきる。信仰はあっても救いはないのだ。だから自分で道を切り開いていくほかない。美しいがゆえ、イグナシオに手を差し伸べるものあり、その中でイグナシオの真の姿を見ようとしたのはヤクザの大谷だけかもしれぬ。皮肉にもそれは破滅への扉であったのだが。
イグナシオというキャラクターにひかれ本書を手にとった。
現代とは違う時代背景もあろう、新宿の様相も多少は違うかも知れぬ。

しかし、教会で育ったイグナシオが俗世間に触れ次第に慣れていく過程の書き込みの薄さが些か不満である。またラストへの疾走も幾分唐突な気がした。
まあ衝動的な行動であるから「唐突」で当たり前だが。

光と闇の舞踏5
~読み手によって評価が分かれる作品のようです。
でも好きな人はすごーくはまると思います。
個人的には、花村萬月作品の中で一番か二番目ぐらいに好きな小説です。
対比する聖と俗、光と闇、善の中の悪、悪の中の善。
モノクロの絵画を見せられているようなぎりぎりの美しさと緊張感で、最後まで一気に読めてしまいます。
最近の緻密な作風に比べると荒~~削りな感じも受けるのですが、エンターテインメントの仮面に隠した重厚なテーマを少しも損なうものではありません。
主人公のイグナシオは男が赤面してしまうほどの美少年なのですが、肝腎なのはそこではなく、彼が抱えている獣じみた飢餓と孤独です。
腹の底に自らを喰いつぶすほどの闇を抱えながら、関わる女性達を結果的に癒してしまう様には泣かされま~~す。
女性達の中では特に文子さんが好きですが、萬月という人は女性なのでは? と思わせるほど湿っぽく女らしく真に迫っているのです。女独特のずるさもありながら、潔さが気持ちよく後味は清涼感が漂います。
美しいものを見たかったら萬月。心にそう刻みました(もれなくヤクザもついてきますが)。~

ワンパターンかもしれない…2
花村萬月のフツーのいつものパターンのお話。

冒頭の、人の頭が壊れる部分の描写がリアル。

心の奥の方にある、無意識の感情。
人間ってなにするかわかりませんねぇ。