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ブルース (角川文庫)

ブルース (角川文庫)
By 花村 萬月

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  • 発売日: 1998-09
  • 版型: 文庫
  • 566 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
南シナ海の烈風。眼下で砕ける三角波。激しい時化に呻く25万トンの巨大タンカーの中で、村上の友人、崔は死んだ。仕事中の事故とはいえ、崔を死に至らしめた原因は、日本刀を片手に彼らを監督する徳山の執拗ないたぶりにあった。徳山は同性愛者であった。そして村上を愛していた。村上と親しかった崔の死こそ徳山の嫉妬であり、彼独自の愛の形であった―。横浜・寿町を舞台に、錆び付いたギタリスト村上とエキセントリックな歌姫綾、そしてホモのヤクザ徳山が奏でる哀しい旋律。芥川賞作家が描く、濃密で過剰な物語。


カスタマーレビュー

これぞ文学!5
久々にこれぞ文学!っていうか、これぞ小説!って本に出会えました。
ほんと素晴らしい作品でした。
読めば読むほど深い話になっていく。
単純なハッピーストーリーかと思いきや、
そんなものでは終わらない、底知れぬ現代人の闇を見事に描いている。

550ページにも及ぶ長編だけど、全然長いと感じさせない。
むしろ物語が進むにすれどんどん奥が深くなっていく。
この作品の奥深さはすごい。

過剰な愛の物語5
この本はまさに、「ブルース」以外の何物でもない。音楽として聴くのでなく、「読むブルース」だ。生きた人間の、せつなさ、やるせなさ、狂おしさ、愛しさ、痛さが、すべて過剰なくらいに詰まっている。

作者の文庫版あとがきに、「重要なのは衝動だ。小説家になりたいという衝動ではなく、小説を書きたいという衝動だ」とある。多少の青臭さなんか、どうだっていい。読み進めるにつれて、作者の「衝動」に、どんどん引き込まれて、熱くなっている自分がわかる。なんとも、説明のしようがない。

友人にすすめられて、花村萬月という作家の小説を読んだのは、これがはじめてだが、とにかく、一度、読んでみてほしい。

私の中で萬月氏NO1です5
すれたギタリスト「村上」。歌姫「綾」。ホモのヤクザ「徳山」。3人のアウトサイダーが奏でる哀しい旋律。

せつないブルースがよく合うせつない物語。
文庫本の帯に北方謙三氏が「たまらんぜ萬月 何が悲しくてこんな小説を書く」とありますが、まさにそのとおり。

「村上」のギター。「綾」の歌声。そして「徳山」の日本刀。
私は「徳山」がせつなすぎました。

花村萬月氏に興味を持っておられる方、氏のファンでもまだ未読の方星5つ以上の評価をしておすすめします。