東京小説 (角川文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #305446 / 本
- 発売日: 2003-04
- 版型: 文庫
- 217 ページ
エディターレビュー
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大都市には多様で複雑な表情がある。そこに集まり、住む人々と、街並みや建築物が作り出す表情である。大都市の表情を描く。それは大都市を愛する作家にとって、ついつい食指の動くテーマやプロットの1つともいえるだろう。
東京という街を舞台に、5人の作家の個性をあぶりだす形でまとめられた小説集、それが本書である。銀座は椎名誠「屋上の黄色いテント」、青山は林真理子「一年ののち」、下高井戸は藤野千夜「主婦と交番」、深川は松村友視「夢子」、新宿は盛田隆二「新宿の果実」。それぞれの描く街の風景と人物は、街の空気や彩りを生き生きと彷彿させ、読者の心を引き寄せる。
たとえば林真理子の作品は、しゃれたブティックが並び、センスのいい男女が行き交う青山という場所に、地方出身の年ごろの女エリコと、東京生まれのエリート商社マンを登場させる。エリコは男の心がつかめないまま1年の期限つきでつきあっている。男の恋人がアメリカから戻るまでという約束だった。恋を失いたくないエリコは、不安と卑屈さを抱いたまま男と関係を重ねる。けれども男は恋人という女性に実は相手にされず、その哀しみを癒すためにエリコとつきあっていた。事実が腑に落ちた瞬間、エリコは男への執着が薄れた自分に気づく。男女の心理の綾が、洗練された青山という街に浮かび上がる。
盛田隆二の作品は、猥雑な新宿にうごめく10代が鮮烈に描かれた。真夏の熱気がゆらめく下、2人の落ちこぼれ予備校生がほろ苦い人生体験を味わう青春グラフィティー。シンナーとドラッグ、フィリッピン少女の売春婦、素人相手にぼったくりする店の男、さまざまなアジア人がごっちゃに集まる無国籍的な歌舞伎町界隈、それが切ないまでに鮮烈だ。
本書はもともと、フランスの出版社による企画「街の小説」シリーズの一環。フランス人の目に映る東京はどのようなものか。フランス語版と日本語版の同時刊行である。(松平盟子)
出版社/著者からの内容紹介
一年だけ、恋をしよう。この街で-- 東京の街が紡ぐ5つの物語
銀座、青山、下高井戸、深川、新宿――個性的な街に暮らす作家たちが、街に秘められた物語を万華鏡のごとく鮮やかに描き出す。日仏で同時刊行された「街の小説」の日本語版。映画「東京マリーゴールド」原作を収録。
内容(「BOOK」データベースより)
「一年間だけでいいの。だから私とつき合って」米国留学しているタムラの恋人が帰国するまでの期限付きで、タムラとつき合い始めたエリコ。季節の移ろいゆく青山の街でデートを重ねるが…。(林真理子「一年ののち」より)。銀座、青山、下高井戸、深川、新宿―個性的な街に暮らす作家たちが、その街に秘められた物語を万華鏡のごとく鮮やかに描き出す。日仏で同時刊行された「街の小説」の日本語版。映画「東京マリーゴールド」原作「一年ののち」を収録。
カスタマーレビュー
新宿の果実
盛田隆二さんの「新宿の果実」がとても面白かったです。
新宿の町がそのまま目の前に現れてくるようでくらくらしました。
この話は映画化もされるとの事、期待しています。
東京で生きる人達の物語
東京に住む人達のそれぞれの生活。サラリーマンや主婦や予備校生など主人公は多種に渡ります。それぞれの作家さんから見た東京という世界を40ページ程で味わえます。
個性が強い作家が多いので自分の好みがはっきりと出る小説です。
まだ自分のお気に入りの作家が定まっていない方はこの本を読んで自分のお気に入りの作家を見つけるのも一つの手だと思います。
盛田隆二に★★★★★
盛田隆二「新宿の果実」がとにかくよかった。
さまざまなアジア人が集まる新宿歌舞伎町界隈で、2人の落ちこぼれ予備校生と、フィリピン少女の売春婦が出会う。切ないまでに鮮烈な傑作短編。解説によれば、フランス人監督の手により、映画化の準備が進められているという。待ち遠しい。
初読みの盛田隆二だったが、ぶっちゃけ超うまい。興奮のあまり、立て続けに「ストリート・チルドレン」「ニッポンの狩猟期2008」「湾岸ラプソディ」を読んだ。
ことごとく★5つ。その緻密な描写と、深い人物造形と、パワフルなストーリー運びにぐいぐい引き込まれた。
いま「おいしい水」を読んでいる。これは毛色が違って、専業主婦の日常の渇きを描いている。異様に間口の広い作家だ。ブレイク寸前と見た。





