葡萄が目にしみる (角川文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #209689 / 本
- 発売日: 1986-03
- 版型: 文庫
- 234 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
葡萄づくりの町。地方の進学校。自転車の車輪を軋ませて、乃里子は青春の門をくぐる--。目にしみる四季の移ろいを背景に、素朴で多感な少女の軌跡を鮮やかに描き上げた感動の長編。(栗本慎一郎)
内容(「BOOK」データベースより)
葡萄づくりの町。地方の進学高校。自転車の車輪を軋ませて、乃里子は青春の門をくぐる。生徒会の役員保坂に寄せる淡い想い。ラグビー部の超スター岩永との葛藤。そして、笑いさざめき、かすかに憎しみ合う級友たち―。目にしみる四季の移ろいを背景に、素朴で多感な少女の軌跡を鮮やかに描き上げた感動の長編小説。直木賞候補となったこの作品は、青春小説の枠を超え、鮮烈な印象を与えて、選考委員たちの絶讃をあびた。会心の代表作である。
カスタマーレビュー
林真理子氏の最高傑作
林真理子氏の最高傑作にして、青春小説の最高傑作です。
青春とは夢を見、夢破れて傷つくこと。
そんな青臭いテーマを見事な話に仕立て上げました。
舞台は林真理子氏の故郷山梨。
自らの高校時代をモデルにした話です。
愛することと愛されること。それが人生の一番の関心事だった頃の話。
主人公達の話す山梨弁が懐かしさとリアリティを醸し出しています。
ラスト、大人になり成功も手にいれ東京という華やかな街で出合った主人公と同級生岩永。
夢ではない本当の恋愛も経験し、昔のように些細なことで傷つくこともなくなった二人。
高級なフレンチレストランで臆することなく食事をし、高校生時代のやんちゃを忘れたかのように大人の会話を交わす。
これから読まれる方のために詳しくは書きませんが、その時に発する岩永君の言葉が素晴らしい。
そして誰もが大人にならなければならないことの残酷さ。
ラストは思わず涙してしまいました。
懐かしいアルバムを久方ぶりに開いて、ああこんな頃があったんだなあと溜息を吐いて再びアルバムを閉じる。
そんな思いにさせてくれます。
必読の作品です。
もっと読みたい、真理子さんの原点
林さんの本は結構沢山読みましたが、「葡萄が目にしみる」や「本を読む女」などの故郷や家族を描いた作品は、ことに優れていると思います。「原宿系」や「業界系」「物欲系」の作品だとはっきり言ってかなり上滑りな内容のものが多いと思っているのですが、「故郷」や「ルーツ」系のものでは林さんの本質である、育ちの良さや繊細さ、心ばえの良さがはっきり出ていて、素直な感動を覚えます。考えてみれば林さんはまだ作家としてお若い(と年下の私が言うのもなんですが)、練れてくるのはこれからだと思います。青春後期を過ごした「浮ついた世界」を描く時、どうしても上滑りになってご本人の美質が出ないのも当たり前かもしれません。ブランド物や人の外観にどうしてそこまでこだわるのか、あきれ果てながらも何か激しいコンプレックスをお持ちなのだろうと感じ、そしてコンプレックスのない者にはものは書けないだろうとも思います。「葡萄」のような作品では、その葛藤が「懐かしさ」に純粋に昇華されていて、非常にこなれた良い作品と感じます。
ひとつだけ、今後精進して頂きたいのは、「正しい日本語」を使って頂けまいかということです。語彙の運用に明かな間違いが散見され、気持ち良く読み進んでいたところでガクッとつまづく不愉快さがあります。折角の天賦の才能が惜しいです。編集の方も、もっと気をつけて差し上げて欲しいものです・・・
この本が心にしみる
田舎町の高校生の日常。狭い社会で暮らす高校生にとっては、些細な日常のひとつひとつがドラマになる。
大人になって分別を覚えてしまう前の、人間の生々しい感情がふんだんに盛り込まれていて読みながらどきどきしてしまいます。
きっと誰でも持っているであろう嫉妬とか嫌な自分とかを全部認めて一つの小説にしてしまう真理子さんを、私はとても偉い人だと思いました。





