特攻基地知覧 (角川文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #113054 / 本
- 発売日: 1973-07
- 版型: 文庫
- 370 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
太平洋戦争の狂気の舞台となった薩摩半島の知覧飛行場。機体に二五〇キロ爆弾を装着し、死の道へ突進した若き特攻隊員たちの残酷ドラマ! 「語られない真実」を緻密な取材で綴る。(入江徳郎)
カスタマーレビュー
貴重な日本史の記録
故高木軍報道員の書いた物には信憑性がある。なぜなら、彼は実際に特攻基地に赴き、出撃直前の隊員達と「時」を過ごしているからである。あの「きけ わだつみのこえ」の冒頭に遺書が載った上原良司(享年22歳、慶応義塾大学経済学部からの学徒兵)と仲間の隊員達(全員が東大、京大、早稲田などからの学徒兵)が南薩摩の知覧にいる頃、高木さんも仕事で知覧へ行った。そして、出撃前夜、三角兵舎にいた上原良司達に、「何でもいいです、書いて貰えませんか。」と頼んでいる。
三角兵舎の中は、薄暗く、湿度が高い。外も南国の5月であるから蒸し暑い。そんな中で、第56振部隊の生き残っていた隊員達は、飛行服に身を包み、汗だくになりながら静かに日の出を待っていた。ある者は遺書や手紙を書き、ある者は煙草を吸い中を見つめ、ある者は自分のあまりにも短い人生を振り返りながら唖然としていた。そこへ高木軍報道員が入って来たのだ。「青春の真っ只中」にいる筈の若者達のこの惨めで、あまりにも残酷な最後を、美化せず、賛美せず、英霊などと煽てず、正直にそのままの彼等の姿を記録に残してあげたいと思ったのである。それが彼等へのせめてもの「はなむけ」となる事を望んだ。特攻隊員とは、極普通の家庭の、極普通の青年達であった。戦争がなければ、今頃は大学で猛勉強をし、恋をしていたであろうに。戦争に狩り出され、「特攻作戦」という史上、前代未聞の自殺紛いの死を強制させられていた。彼等のその気持ちをどう理解してあげられようか。しかし、「英霊達の勇ましい姿を記事にして来い」というのが高木軍報道員が受けていた仕事命令だった。戦況が最悪な状況にあった昭和20年5月初頭の話しである。この悲しい事実を克明に記録したのが、この書物である。
これもまた真実
生き残った特攻隊員達の苦しみというか、その後の暮らしというものがなんとなく想像できる1冊である。
全ての特攻隊員が華々しく凛々しく・・など美辞麗句で飾られるもいいのだけれど、この本を読んでより特攻隊という隊員が身近な人間に感じられた。
不安も当然あるなかでの特攻隊。それがちょっとだけ垣間見れてこれでこそ、歴史だと実感した。
特攻の悲哀
この本では、神坂次郎氏の「今日われ生きてあり」や工藤雪枝氏の「特攻へのレクイエム 」にあるような神々しい隊員たちばかりではなく、死に切れなかった隊員たちの物語も書かれている。
だからと言って、そのような隊員たちが卑怯だとか醜いというのではなく、そのような人がいたという事実もまた、特攻の一側面として我々に語りかけてくるものがある。





