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夏子の冒険 (角川文庫)

夏子の冒険 (角川文庫)
By 三島 由紀夫

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  • 発売日: 2009-03-25
  • 版型: 文庫
  • 277 ページ

エディターレビュー

内容紹介
裕福な家で奔放に育った夏子は、自分に群がる男たちに興味が持てず、神に仕えた方がいい、と函館の修道院入りを決める。ところが函館へ向かう車中、瞳に情熱的な輝きを宿す一人の青年と巡り会う。傑作長編ロマンス!

内容(「BOOK」データベースより)
芸術家志望の若者も、大学の助手も、社長の御曹司も、誰一人夏子を満足させるだけの情熱を持っていなかった。若者たちの退屈さに愛想をつかし、函館の修道院に入ると言い出した夏子。嘆き悲しむ家族を尻目に涼しい顔だったが、函館に向かう列車の中で見知らぬ青年・毅の目に情熱的な輝きを見つけ、一転、彼について行こうと決める。魅力的なわがまま娘が北海道に展開する、奇想天外な冒険物語!文字の読みやすい新装版で登場。

著者について
1925年東京生まれ。学習院高等科を経て東大法科卒。16歳で初めての小説「花ざかりの森」を書く。華麗な文体を特徴とし、主な著書は「仮面の告白」「潮騒」「金閣寺」「憂国」など。最後の小説「豊饒の海」4部作の完成後、70年11月25日、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺。


カスタマーレビュー

気まぐれお嬢様の冒険記3
三島由紀夫がこういう軽いタッチのものも書く、というまた違った側面を見るようだった。主人公の夏子はモテモテのお嬢様だが、世の中に自分の満足する男性がいない、ということで、世俗で生きることをやめ、突如、修道院に入ると言い出す。このお嬢さんは、いきなり何かやりだしたり、言い出したら聞かない性格とのことで、家族が付き添って、北海道まで行くのだが・・・。

 そんな夏子の目の前に「仇をつけ狙っている」という青年、井田が現れる。この井田の仇は何かと分かると、まるで『白鯨』のエイハブじゃないか!と思うのだが、本書の解説の千野帽子もエイハブを引き合いに出している。夏子の冒険はその井田と巡り合ってから始まるのだが、ラストはそうだろうな、と思いつつ、「ギャフン」と言いたくなる感じ。かなりノリのいい作品だ。

こういう夏子を学校の女生徒たちが「英雄」視するのが、どんなに女性の生きづらい時代なんだ?と感じるし、夏子に言いよる男性が、いかにいい家に住まわせてあげるかと自慢すれば、そんなところに閉じ込められてたまるか、と思うというあたりも、じゃあ修道院に入るのはいいのか?と夏子に問いたくなる。が、こういう時代的なものか、三島由紀夫の趣味か、とにかく今の時代に読むとそういうアナクロニズム的なところもちょっと面白い。