女生徒 (角川文庫)
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商品の詳細
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- 発売日: 2009-05-23
- 版型: 文庫
- 279 ページ
エディターレビュー
内容紹介
「幸福は一夜おくれて来る」――多感な女子生徒の1日を描いた「女生徒」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、女性の告白体で書かれた14編を収録。
内容(「BOOK」データベースより)
「幸福は一夜おくれて来る。幸福は、―」。女性読者から送られてきた日記をもとに、ある女の子の、多感で透明な心情を綴った表題作。名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して語る「きりぎりす」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、太宰がもっとも得意とする女性の告白体小説の手法で書かれた秀作計14篇を収録。作家の折々の心情が色濃く投影された、女の物語。
著者について
1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。
カスタマーレビュー
いつのまにか流れてゆくもの
太宰治は好きな作家ですけれども
これは数々の有名作をおさえて、傑作だ!と思っている短編集。
女性の独白の物語を集めたもので、どれもいいのですが…。
表題作の「女生徒」はまた際立っています。
ある一人の女生徒の朝から夜までのお話。
日常の生活の中で、何の脈絡もないように生まれては消えていく感情。
その一瞬には確かにあるのに、あったことをちゃんと知っているのに、
いつのまにか流れて見えなくなるものが書かれている。
私はお米を研ぐのが好きなのですが
さりさりとお米を撫ぜながら水を流していると
どんどん心がまっしろになっていって
でも何かぼんやりと考えています。
すごく大事なとことがわかった気がするのに
あらためて振り返ってみても思い出せない…。
そんなふうに一瞬一瞬にたどり着いている透明でかたちないものを
文章で書ききっているのです。
やはり太宰はすごい。
他の作品とはちょっと違う雰囲気があるので
太宰はいまいち…と思っていた人も手にとってもらいたいです。
知られたくない気持ちと気付いて欲しい気持ち
表題作の女生徒は、少女の成長への戸惑いや、社会への違和感を
少女の何気ない一日の中で表現した作品です。
読むと「これ自分のことだ…!」と思わずにはいられないのが太宰作品の魅力ですが、
この作品も思春期のただ中にある人や、思春期を通り過ぎた人なら
誰でも強くシンクロしてしまう内容となっています。
主人公の少女は、自分の下着に薔薇の刺繍があることを誰も知らないという、自分だけの秘密に
優越感を持っています。成長していく中で、人は社会からの視線や評価を免れることはできません。
しかし、こうした何気ない主人公の自意識に触れると、自分しか知らない自分がいるということもまた大切なことだと感じさせられます。
自分を知られたくない気持ちと、誰かに気付いて欲しい気持ち。
この二つは表裏一体なのかもしれません。




