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公務員大崩落 (朝日新書)

公務員大崩落 (朝日新書)
By 中野 雅至

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  • 発売日: 2009-10-13
  • 版型: 新書
  • 280 ページ

エディターレビュー

内容紹介
民主党政権の誕生で、明治以来の「官の支配」は大崩落する。キャリア官僚の権威は失墜し、タレント知事と地方分権で地方公務員・特殊法人職員は格差社会にのみ込まれる。全公務員必読の、好評『公務員クビ! 論』待望の第2弾!

内容(「BOOK」データベースより)
政権交代で、公務員改革が動き出した。天下りや税金の無駄遣いは根絶できるのか。キャリア官僚から独法、公益法人、第三セクター職員まで、900万人弱の「公務員」に襲いかかる過酷な運命とは。公務員を知り尽くし、霞ヶ関を震撼させた、『公務員クビ!論』著者による待望の第二弾。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中野 雅至
1964年奈良県生まれ。旧労働省入省。職業安定局、ミシガン大学大学院留学、新潟県庁課長、厚生労働省課長補佐などを経て、公募により兵庫県立大学院准教授。安倍内閣で「官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会」委員を務め、公務員制度改革に深く関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

公務員バッシングの先に見えるものは5
最近の公務員は、民主・自民・知事・国民の全てのアングルから批判されているし、身内からもブーイングの有様。 大会社で言えば、社長(大臣)は職員を「高給とりのくせに信頼できない」といい、一般職員は幹部(局長)を「無能で失敗続き」とTVや株主総会で叫んでいる。こんな異常な状況を劇場的に見ている自分を含めた国民。官から政への掛け声とともに誕生した民主党政権でなにがどう変わるのかが知りたくて、この本を買いました。 帯に「奴隷化する公務員」とあり、ややセンセーショナルな体裁ですが、中身は、公的セクターに所属する労働者(サラリーマン)としての公務員とその職域の実態と展望をしっかりしたデーターと論議展開によって述べている本です。この問題に対する総合理解と、じつは物事そんなに単純なことではないと良く理解できました。 モンスター・ペーシャントあるいは医療クレーマーが医療崩壊の一因となった如く、モンスター・ポリティシャンによって公的サービス崩壊が起らないことを願います。 また、著者はなかなか言葉使いが旨いと感じました。 例えば、脱藩官僚。民主党の官僚出身議員は、役所へ満たされないものがあったので「脱藩」したわけで役所に温情的ではない、とか、政権交代や首長交代による「ジェットコースター人事」(信賞必罰・論功行賞)、公務員バッシングは、ローマが衰退に向かう過程でみられた「パンとサーカス」などなど。著者は、この本は「公務員が嫌いな人」、「仕事で公務員と付き合いのある人」、「公務員」、「団体職員」向けに書いたと冒頭に述べていますが、政と官の関係を公務とそれを担う「ひと=員」の観点から考えようとする全ての読者にまたとない論点と情報を提供する優れた本として読了しました。

終章だけでも一読を4
夢も希望も無い、だが同時に地獄のような絶望も無い、公務員等の近未来が淡々と語られていく。
しかし静かな怒りが行間から感じられる。自らが目立つために部下をバッシングして恥じない首長や政治家、役所叩きの見世物サーカスを演出するマスコミ、それに喝采を送るだけで自ら享受するサービスについて何ら思考を深めようとしない市民。日本人は賢いから、非生産的なバッシングにはいずれ歯止めがかかる、と著者は楽観するが、はたして。

民主党は調整を官僚なしにできるか5
 本書は国家公務員と地方公務員の人事と給与制度と天下りについて、今後予想される変化を解説している。天下り先として問題になった公益法人や第三セクターの財務状況と、そのリストラの可能性にも言及している。

 民主党には一章が割かれている。政権発足後の動きを細かくフォローするというより、民主党も賛成して成立している公務員制度改革法に沿った今後の改革のシナリオが示される。それによると、人事と給与制度をいじるだけでも、政による官へのコントロールは相当強化されることがわかる。人事院と財務省の関係、人事院総裁の更迭騒動の背景も興味深かった。

 なお著者は、日本の官僚支配の核心部分は「調整」にあるのだという。
 政策の実行には、利害関係者の根回しや反対派の説得などのめんどうな調整が不可欠で、それを政治家のかわりに一手に引き受けていたのが官僚であり、それが官僚の権限の源泉だった。なにも、東大法学部卒のエリートがボンボン育ちの政治家を適当にあしらっていたわけではないのだ。
 民主党政権には、そこが脱官僚のキモという自覚は強烈にあるらしい。そのせいか、閣僚が根回し抜きにまず構想をぶち上げ、関係者が「オレは聞いてない」と怒るパターンが目に付く。しがらみがないからこそ思い切った政策ができるし、対立をあえて表面化させて隠れた問題を有権者が共有できるのはよいことだが、コストも時間もかかる調整作業を政治家だけでできるのか、やはり官僚の手を借りることになるのか。本書の懸念が早くも現実となっている。

 地方でもかなりの変化が予想され、「親方日の丸」はもはや完全に過去のものになったことを痛感させる。しかし、著者によれば、当の公務員自身が、日々の業務の多忙さにかまけて、今後自分の身に起こる変化に疎いのだという。

 公務員と志望者の人は、一度目を通しておくべきだろう。著者は元公務員で公務員バッシングとは距離を置いているが、現場を知るだけに、危機感は強く伝わってくる。