悪人(下) (朝日文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #6979 / 本
- 発売日: 2009-11-06
- 版型: 文庫
- 280 ページ
エディターレビュー
内容紹介
福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った金髪の土木作業員に殺害された。二人が本当に会いたかった相手は誰だったのか? 佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、出会い系サイトへアクセスする。そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か? その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。誰がいったい悪人なのか? 事件の果てに明かされる殺意の奥にあるものは? 毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の最高傑作、待望の文庫化。
内容(「BOOK」データベースより)
馬込光代は双子の妹と佐賀市内のアパートに住んでいた。携帯サイトで出会った清水祐一と男女の関係になり、殺人を告白される。彼女は自首しようとする祐一を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か?毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した傑作長編。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田 修一
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞、2007年『悪人』で第34回大佛次郎賞、第61回毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
時代の閉塞感を描ききった見事な名作
地方都市を舞台とし、どこにでもいそうな平凡な人々を主人公にインタビュー形式で物語りは進行する。
「悪人」という題名からは、ややはずれてしまう気がするが、時代の閉塞感を見事に描ききっている。
昭和という高度成長時代やバブル期には決して成立し得ない、
平成の10年以降に初めて成立しえる物語である。
すべてを時代のせいにするわけではないが、まったく明かりの見えない時代だからこそ、
この作品は、より大きなリアリティを読み手に感じさせるのではないか。
奥田英朗の「最悪」や桐野夏生の「OUT」とちょっと似た感じがしないではないが、
非常にいい小説である。
『悪人』という題名には、いろんな意見があるだろうし、誰が一番の悪人なのかは諸説あるだろう。
ただ、小泉政権以降の時代の閉塞感を見事に描いた小説として、後世に残る作品である。
映画化されるようだが、「時代の閉塞感」だけはきっちりと描いてもらいたい。
誰もが
「悪人」にも「悪人」以外にも為り得ること。
事件は一面から捉えることが出来ないのだと、
胸に刻まれた気がしました。
作者の強い魂を感じた小説でした。
個人的にはなんといっても
房枝に声をあげるほど、泣かされてたまりません。
「正しい事ばせんといかん」と。
書店員ですが
よくお客様が買っていかれるので気になって上下巻を購入しました。下巻では犯人と出会い系で知り合った女性の逃亡がメインでストーリーをドラマチックに劇的に盛り上げています。彼が殺人犯と知りつつも(たとえ殺すつもりがなくても)惹かれてしまった孤独感がある女性や幼い時に母親に捨てられそれがトラウマになっている感情表現が乏しい男性やら彼を囲む息子のように心配している叔父やお年寄り専門の健康食品詐欺にあっている気の弱い祖母等、出会い系で殺されたと中傷を受ける被害者の親族や武勇伝のように自分のやったことを語るバカ大学生やそいつを殺そうとする被害者の父親などリアルで罪の意識のない軽薄な若者もこういう輩は実際にいそうだし人間描写が相変わらず上手でグイグイ読み込まれました。表題の悪人というのはそれぞれ被害者も加害者も悪い部分がありまたあまり魅力があるとは言い難い被害者ですが幼少の頃の描写はかわいくどんな子供でも親にとってはかわいくそれは加害者にもいえることで読んでいて悲しくなりました。特に幼少時に犯人と被害者と被害者の父親が灯台であっていてくれた竹輪で一晩を過ごすエピソードが何ともやるせないです。個人的に結局、法に問われなかったバカ大学生や完全に脅迫して売りつけた悪徳商法の会社などクーリングオフも知らないで人に相談もせずおろおろする祖母に疑問を感じましたが本当の悪人は事件に関係ない悪徳商法の輩だったり罪の意識の欠如してるバカ大学生だったりと感じました。被害者もあまりにも性格が悪くどうしてもかわいそうに思えない悪人で手をくだした犯人の方が余程かわいそうに感じましたが最後の最後の行動でビックリしました。何故、あんな状況で?!逃亡してた女性を完全に自分が悪人になり庇う愛情がゆえか本当に彼の語る性癖で殺したかったのかよく分かりません。また読み返したくなりました。




