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社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)

社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)
By 見田 宗介

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  • 発売日: 2006-04
  • 版型: 新書
  • 215 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
「人間のつくる社会は、千年という単位の、巨きな曲り角にさしかかっている」―転換の時代にあって、世界の果て、歴史の果てから「現代社会」の絶望の深さと希望の巨大さとを共に見晴るかす視界は、透徹した理論によって一気にきりひらかれる。初めて関心をもつ若い人にむけて、社会学の「魂」と理論の骨格を語る、基本テキスト。

内容(「MARC」データベースより)
人間のつくる社会は、千年という単位の、巨きな曲がり角にさしかかっている-。転換の時代にあって、社会学という学問は、いかに「未来」を構想しうるか。分野の第一人者から初学者への講義として語られる、必読の一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
見田 宗介
1937年東京に生まれる。東京大学名誉教授、共立女子大学教授。専攻は現代社会論、比較社会学、文化の社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

見田流社会学への誘い4
実際の見田宗介氏の大学での講義をおこした内容で、「序論」「総論」「結論」(1〜6章+補章という構成)と読み進めるごとに社会学のエッセンスを存分に味わえる一冊。

「序章」
著者が実際現地で体験した事を交えて、世界と日本の差異を明らかにし、社会学は比較を通じて他者を明らかにする学問である事を言う。自分がどんな姿をしているのかは、鏡を覗かねばわからない。鏡に映ったあなたは奇妙ではありませんか?

「総論」「結論」
見田氏の論文の爽快さは、最初はちんぷんかんぷんで一見無関係に思える引用や用語が、結論できっちりと構造を成して姿を現すことだ。それはつまり、社会学の守備範囲の広さと、その社会学の宇宙の中で無限に相関しあうテーマを自分なりに組み替える作業という壮大なダイナミズムである。現代社会の課題と、あるべき未来、そしてその論じ方の手本が明快かつ論理的に語られている。

「補章」
見田氏のオリジナルの理論か否かはわからないが、〈共同体〉の変容について語られた他章より数段難しく感じられた章。ワタシの頭のわるさもあり、数回読み返した結果、点が一本の線になった。
著者は根っからのリベラリストである。喜びの創出こそが自己の至高性であり、またそれを支える、人々が安心して歓びを見つけだしその行動を侵害されないルールを作り出す事こそが社会構想の至高性である。イエスの「シーザーのものはシーザーに」という言葉を引用して、人間の歓びはもちろんその人間自身の下にあるべきものであり、ある支配者によって歓びを搾取されるべきものではないと言う。そのためには、歓びを保障するためのルールの決定さえも『シーザーの下』にあらねばならない。(≒民主主義の原理)複雑な価値観が交錯し合う現代社会において、我々にまず求められるのはいかにして他者の他者性を認めるか、ということである。他者性の理解は、自分という人間の存立と同義であるから。
 特に印象に残った事は、現代の主要な論議である〈リベラリズムVS共同体主義〉の二項は本来対立すべきものではなく、相補的存在だという主張である。共同体主義は、自分の共同体のイデオロギーの全体性をしばしば過信するが、その過信は他者性の理解への道徳としてのルールに昇華することを通じて、リベラリズムすなわち〈交響するコミューン〉との共存を可能にする。


楽しく読めました。

ひとつの学問の門をくぐるということ。5
どんな学問分野であっても、入門書を書くことは難しい。
それはまず、基本のコンセプトを分かりやすい語彙や概念によって伝えることの困難にある。
さらに、その学問の創始者が抱えていた情熱と、彼らが同時に自ら(の学問)に課した射程の限界を同時に伝えることの困難がある。
後者は前者よりもさらに困難である。


本書は、その後者に力点を置いた「入門書」であると言えよう。
そのため、決して理解しやすい入門書であるとは言えない。


かって清水幾太郎は同じタイトルの『社会学入門』という本の中で、「ひとつの学問を学び始める時に、人は人生を始めるのだ」と書いた。
この見田の著作は、社会について・人について・時代について・生と死について不磨の好奇心と探究心を持ち続ける、将に人生を始めようとする人のために書かれた「入門書」である。

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見田のこれまでの学問遍歴を見てみると面白い。
『現代社会の存立構造』に代表される、硬質な理論書を著していた初期。
『気流の鳴る音』に代表される、比較社会学の分野に踏み出した中期。
そしてそれらの遍歴を踏まえて、『自我の起源』、『現代社会の理論』が著された後期。
こうした学問の遍歴をへた彼が今、『社会学入門』というタイトルの著作を著すことは、一読者として感慨深い。

教科書のようなものを想像していたが…3
教科書のようなものを想像して手に取ったが、全く違った。本書では体系的な
議論は、なされていない。むしろ、もっと漠然とした問題設定がある。

本書では、社会学は人と人との関係を研究する学問だとされている。また、社
会の態様をゲゼルシャフトとゲマインシャフトの水平軸と意思の有無の垂直軸
の組み合わせから、4つに分類している。

本書全体を通して、社会における人間関係が現代社会においてどうなっている
か、近代社会ではどうなっていたか、近代以前はどうだったか、そして今後は
どうあるべきかということが模索されている。全体的にヒューマニズムに満ち
ており、暖かさのあふれた本だともいえる。個人的には、補章が一番おもしろ
かった。