チェーホフ (岩波新書)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #178146 / 本
- 発売日: 2004-12
- 版型: 新書
- 216 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
日常に生きる人びとの悲喜劇をやさしく見守り、穏やかで端正な作品を残したチェーホフ。そんな慎ましやかで愛すべき作家の相貌の裏には、「無意味」の深淵をのぞいた「非情」な世界が秘められていた。この世界からの脱出はいかにして可能か。没後百年の今、現代の抱える課題を先取りした作家の深層を、作品と生涯から具体的に読み解く。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
浦 雅春
1948年大阪府生まれ。1971年神戸市外国語大学外国語学部卒業。1983年早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻はロシア文学、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
没後100年目のチェーホフ論
本書ではチェーホフの作品を「父親殺し」、「中心の喪失」、「対話不全」、「意味からの自由」などの観点から分析しています。単純に読んだだけではその魅力がモヤモヤした感のあるチェーホフの作品。作品を読んだり観たりする前に、そして後に本書を読むと、味わい方が豊かになってくること間違いないです。
『無意味』のはてに見出したかすかな光。。
小見出しをいくつかあげると、「不条理な現実」「感情の切断」「チェーホフの『非情』」「内部に巣くう『冷静さ』」「否定の論理」「崩壊する『意味』」「『絶望の詩人』」「『ここではないどこか』」… こうして並べると、チェーホフファンを名乗るのははずかしい気もします。痛いとこ衝かれた気分です。
ただ、そういう絶望とかペシミズムとかシニシズムとかってんですか、が、若気の至りにあってはたまんないんです。
最終章の最終節「呼びかけと応答」では、チェーホフ晩年の、というよりサハリン行以降、もっと言えば『退屈な話』以降の作品における「希望」について述べているのです。いわく、「『音』や『呼びかけ』、そしてそれにこたえる『応答』は、チェーホフが『無意味』のはてに見出したかすかな光だった。」と。
たとえば『ワーニャ伯父さん』も『かわいい女』も『犬を連れた奥さん』も、ロシア語では呼称、つまり呼びかけの形をとってるんだそうです。『かわいい女』は英訳では「The Darling」だそうですよ。
なんですが、なんとなく、こじつけ的な印象を受けてしまいました。別に、無理に、かすかな光を見出したことにしなくてもよい気がして。。それより、なんていうか、あきらめ、ていうんですかね、結局思い通りには行かないけど、生きてくべ、的な、その辺が、泣けるんですよこれがチェーホフは。




