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サッチャー時代のイギリス―その政治、経済、教育 (岩波新書)

サッチャー時代のイギリス―その政治、経済、教育 (岩波新書)
By 森嶋 通夫

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  • Amazon.co.jp ランキング: #149052 / 本
  • 発売日: 1988-12
  • 版型: 新書
  • 232 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
1979年にマーガレット・サッチャーが首相の座について以来、イギリスはどのように変わりつつあるか。経済・防衛から教育・福祉まで、「利潤」と「効率」の旗をかかげる“鉄の宰相”は、この国に何をもたらしたのか。激しい変化をロンドン大学教授として現地で見すえてきた著者が『イギリスと日本』(正・続)以来久々に問う、鮮やかな分析。


カスタマーレビュー

党首の力は絶大3
9月11日の衆議院選直後に読み始めたので、第一章のイギリスの二大政党制を説明したあたりでは思わず苦笑してしまった。昨今の日本ではマニフェストなる用語を輸入し、イギリスを手本にしようという姿勢を強く印象付けていたのは民主党であったはずだが、「党首の力は強大で」「党員には団結と忠誠が要求される」というイギリス的政党の重要な特徴をより忠実に取り入れたのは小泉首相だったわけだ。1983年(?)にサッチャー率いる保守党が大勝した総選挙の解説はまるで直近の日本の選挙結果分析のようだ。

はしがきで著者は「できるだけ公平にサッチャー論を展開することに努めた」と述べているので、本当は激しいサッチャー嫌いということ。読み進めていると少々辟易してくるが、本書の内容にあるように教育界・大学をそこまで冷遇した政権であれば無理もなかろう。第二章に出てくる「シュンペーター反革命」という見方は面白かった。

「鉄の女」の神話の虚実4
 1923年に生まれ2004年に亡くなった、経済至上主義に批判的な、広い視野を持つ著名な経済学者(ロンドン大学名誉教授)が、1984-85年のエッセイに手を加えて1988年に刊行した、「意見のはっきりした客観的(であることを目ざす)サッチャー論」。イギリス一国を総合的に論じる点、現在進行形の事態を論じる点、労働党時代のイギリスを論じた前著の対となる著作である点の3点において、著者が長年書きたいと思っていた本であるという。第一章ではサッチャリズムの社会背景として、渡部昇一を批判しつつ、イギリス的二大政党制の下での政治(イギリス病の原因とされる。小選挙区制)、英首相の強大な権力、多党化と党内多様化の進行が強調される。続く第二章では、サッチャリズムが反共主義のシュンペーター反革命と規定され、また戦闘的・不寛容で合理主義的な彼女の信念の由来が、会田雄次を批判しながら、伝記的アプローチによって説明される(実力で成り上がったメソジスト信者である父親への敬慕、友人の欠如)。第三章では彼女の政策がより具体的に論じられる。即ち、大学・教育改革、労働運動の鎮圧、保守党内部での闘争、下に薄く上に厚い賃金政策、保健・教育費の削減と防衛費の増額、サービス産業化の推進、国有財産売却、増税、選挙直前の信念に反する一時的な「合法的買収」、その結果としての財政赤字の削減、インフレ鎮静化と失業の増大等である。最後に第四章では、サッチャリズムが欲求不満に基づくことや、その効率至上主義による息苦しさ(ただし金持ちは優遇される=ノブレス・オブリージの否定)、経済的無定見が批判的に考察され、後継者問題、エートスの持続の問題、ヨーロッパ統合問題がサッチャーの弱点として挙げられる。著者の民主主義観やサッチャー神話の虚実についても興味深いが、経済史の大きな流れについての言及が少ないのが難点。
                        

サッチャー政権とは5
「イギリスと日本」の2冊に続く、
経済学の専門家以外にもわかりやすい分析に感銘です。

ロンドン大学教授として、内部から冷静にサッチャー政権について
分析している。

我々はジェフリー・アーチャーの「めざせダウニング街10番地」
等で、イギリスについて知るチャンスはあるが
こちらはあくまで小説であり

もう少し正確にわかりやすく理解するには本著が最適である。