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モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)

モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)
By モーム

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  • 発売日: 2008-09-17
  • 版型: 文庫
  • 346 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
長篇小説『人間の絆』『月と六ペンス』の作家サマセット・モーム(一八七四‐一九六五)は、絶妙な語り口と鋭い人間描写で読者を魅了する優れた短篇小説も数多く残している。希代のストーリーテラー・モームの魅力を存分に楽しめる作品を厳選して収録。


カスタマーレビュー

希代のストーリー・テラー4
最近の岩波文庫は、昔々に出版したものを重版するのではなく、外国小説は新訳で、日本の小説は版を変えたりして出しなおしているけど、モームもその対象みたいでこの短篇選以外も出ていて、これらがまたかなり面白い。
この短篇選は、訳者が「誰にでも楽しめるもの」という基準で選んだ18篇が収録されていて、上巻には以下のものが収録されている。
【エドワード・バーナードの転落】『月と六ペンス』にも通じる短篇
【手紙】これも南洋が舞台。ミステリーでもいける作品
【環境の力】環境が違ったら、違った人生を歩んでいたののではないか、と思われる二人の話
【九月姫】モーム曰く「自分の愛する人の幸福を自分の幸福より優先させるのは、誰にとっても難しい」
【ジェーン】異色な人物への興味と社交界への批判
【十二人目の妻】結婚詐欺師のお話
いずれもモームの人間不可知論、「人間は相互に矛盾する要素をたっぷり持つ複雑な存在であり、首尾一貫した人などいないのだ」ということをよくあらわしている作品群である。

あまりにも素晴らしい翻訳5
原書で読みましたが、この翻訳は素晴らしい。文章のリズムを大切にしてさらに原典の味わいをも
つたえています。これは日本語による別の文学といってもいいのではないでしょうか。。

娯楽であり人生訓5
ふとした偶然からサマーセット・モームに興味を持ち、人間の絆、月と六ペンスの次に本作を読んだ。
ここまで続けられたのは、作品としての魅力に加えて、行方氏の現代的な翻訳によるところが大きいと思う。本当に読みやすい。

短篇集とはいえ、ボリュームも多く読みごたえがある。
上下巻を通じて、モーム作品に見られる人間の二面性や矛盾した心理を、観客席から見るかのように楽しめる。
ストーリーにもメリハリがある。それぞれの話の最後がドラマティックで、終盤はドキドキしながらページをめくっていた。

当時の階層社会や人種への偏見を意識せざるを得ないが、現代人が忘れがちな心の豊かさについて考えさせられる。
巻末のあとがきには、翻訳者の研究を踏まえた要約・評論があって、これもまた興味深い。
モーム短篇選〈下〉 (岩波文庫)と合わせて楽しみたい。