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侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫)

侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫)
By 芥川 竜之介

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  • 発売日: 2003-02
  • 版型: 文庫
  • 261 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
「打ち下ろすハンマアのリズムを聞け」-芸術の永遠に滅びざることをこう表現した芥川は,死の前の4年間アフォリズムの刃を研ぎ澄まし「侏儒の言葉」を書きついだ.一方,谷崎との2度の論争に底深く覗いた文学の「極北」とは何であったか.死への傾斜をはらんだ,最晩年の双竜ともいうべき箴言集と文芸評論集.(解説=平出隆)

内容(「BOOK」データベースより)
「打ち下ろすハンマアのリズムを聞け」―芸術の永遠に滅びざることをこう表現した芥川は、死の前の4年間アフォリズムの刃を研ぎ澄まし「侏儒の言葉」を書きついだ。一方、谷崎潤一郎との二度の論争に底深く覗いた「文芸上の極北」とは何であったか。最晩年の箴言集と評論集。


カスタマーレビュー

「文芸的な、あまりに文芸的な」を読もう4
侏儒の言葉は、わりといろんなところで読めますが、「文芸的な~」の方はあんまり読むことが出来ないのではないでしょうか。
「文芸的な~」は、有名な谷崎潤一郎との論争のきっかけともなったもので、それに答える「谷崎潤一郎へ答える」ってのも収録されています。

「詩」というのがキーワードになっています。朔太郎なんかも絡んできています。芥川の晩年は、彼の「詩」と読んでいるのが理解できないと何も分からないと思われます。
日本の「詩」の歴史を知るためには必読だと思います。それに後期印象派絵画と文学との比較が多いので、少なくともゴッホとセザンヌは観ておいた方がいいと思います。

自分の頭の重さ5
 芥川龍之介は 日本の近代文学者の中でも最も知的な作家だったと思う。

 彼が初期に書き上げた 王朝物など 日本の古典から作り上げた作品は 工芸品の様に精緻で 読んでいて その美しさにはめまいを覚えるくらいだ。彼が織り上げる日本語の美しさも比類がなく 本当に文章で勝負できる作家だった。

 但し そんな彼自身の剃刀のような知性が 彼自身を切り刻んだ。それが 芥川龍之介という 一つの物語のあらすじなのである。彼の後期の作品は それを書いていること自体が 一種の自殺ではないかという印象すら受ける。彼は自分自身を「むきだしの神経」と自嘲していたと聞いた記憶があるが 外気に触れるだけで 激痛が走るような日々だったのかもしれない。
 「侏儒の言葉」の言葉は 彼の自死の4年前の作品だ。この作品は まだ彼の知性のきらめきを感じさせる。読んでいて 本当に頭の良い方だったと今でも思う。
 但し そんな彼の頭脳が 重荷となっていったのが その後の4年だったのだ。そんな歴史を知っている僕らとして 読んでいてつらいものもある。
 
 

詩的精神の苦闘と挫折の記録4
 私の芥川竜之介の作品を敬遠し勝ちな理由は、この箴言集の中に彼自身の言葉で語られている。それはつまり、小説の材料を生かすための「詩的精神の深浅」の浅鮮である。彼は「詩人兼ジャアナリストを完成するために」作品を作っていたが、理知の余りの強力のために、批評精神が詩的精神に優勢していた。萩原朔太郎の芥川を評した言葉、「詩を熱情している小説家」は正に正鵠を得ている。
 しかし、芥川における詩的精神の浅鮮は、この箴言集、更には彼の小説作品が劣ることを意味しない。遺作となった「歯車」は、それまでになく詩的精神に貫かれた作品となっている。彼は「理知と感受性の呪いを受け」ながら、理知の声で箴言を編み、詩的精神を育んだ。そして「歯車」を遺し、その先の書かれることのなかった詩的精神に貫かれた小説を前に、自ら生を断ってしまったのである。