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リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)

リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)
By T. ホッブズ

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  • 発売日: 1992-02
  • 版型: 文庫
  • 398 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
各人が各人を敵に争う戦争状態こそ人間の自然状態であり、国家とは、平和維持のために絶対主権をもって君臨すべく創出されたいわば人工的人間にほかならない。こうホッブズは主張し、まず国家を創造し構成する人間の分析を行なう。


カスタマーレビュー

古典中の古典5
 復刊決定をまず喜びましょう(2004年初頭再販予定)。長い間版が切れていて、不自由な思いをした方も多いでしょうが、、世界の名著などでも読めるのですが、これは抄訳になっているので。岩波文庫は完訳です。

 ふつう教科書的な理解として、ホッブズはこの書の中で専制政治の起源を「万人の万人に対する闘争」という自然状態において示し、その解決策を提示しようとしたのだと言われます。しかし、このような教科書的なまとめに終わらないだけの豊かさは、実際に読んでみなければ分からない所があります。例えば、ホッブズを現代のアメリカ・イラク情勢という視点から読み直す作業を進めている人々もいるのです。これは、古典が常にあらゆる思考様式の源泉に位置しうるものであり、現代的問題の様々な要請に示唆を与えてくれるという一例でしょう。

 当時の混迷期において同様の問題を考察してきた、そうした古典的学者の言にも耳を傾けてみたいものです。

リヴァイアサン4
全四冊あるが、一般的にホッブズのリヴァイアサンとえば、第二巻である。まずこれを読んでみれば良い。素直に順番に読んでいくとなかなか厳しい。万人の万人に対する闘争状態。自然状態。高校などで習うことはこの二巻にほぼ網羅されている。もし興味がでて他にも読みたいと思えば、第一巻→第三巻→第四巻の順に読み進めていけば良いだろう。大抵は一巻と二巻でことが足りる。

面倒なら第13章から読むべし4
 『リヴァイアサン』は、おそらく社会科学系の人間とっては必読書中の必読書であり、古典中の古典でもあるが、著者ホッブズの筆致は異様に分析的でユーモアもウィットもなく、じつにつまらない読み物だと言っていい。
 しかも、ホッブズの政治思想として教科書などに紹介される内容は第1部の後半から第2部の前半までに集中しているので、とくに興味があるというのでない限り、後半の2冊は読まなくてもいいと個人的には思う。
 岩波文庫版では、本文の第1〜第4部が、それぞれ第1〜第4分冊に対応している。

 第1部の第12章までは、認識論、意味論、価値論など当時の哲学のおさらいのような内容になっている。いわゆる「ホッブズ的」な政治思想、社会契約説が本格的に登場するのは、第13章に入ってからである。
 人は生まれながらにして平等であり、その平等性のゆえに敵対が生まれ、「各人の各人に対する闘争」が自然状態となる。だが人間は「死への恐怖」をも持つのであり、生き残るための知恵が必要だ。そこで人々は、「理性」によって発見された共存のためのルール(自然法)にしたがって、各々の権利をすすんで放棄し、社会契約を結ぶのである、と。

 第14章から後はほとんど、「自然法」の細目についての詳論にあてられている。このあたりの論証はけっこういい加減で、まとまりもないのだが、ともかくそれを要約してホッブズは、つまるところ自然法の核心は「あなたが自分自身に対してしてもらいたくないことを、他人に対してしてはならない」ということなのだと言う。じつにわかりやすい政治思想だ(笑)

 第3部、第4部における神学についての詳細な議論においても、ホッブズは信仰箇条を「イエスはキリストである」というきわめてシンプルな命題にまとめてしまう。だから、はじめに言ったように面白くはないが、やたら長い割には、要点を抑えてしまえば非常に読みやすい本ではある。
 ホッブズの「自然法」思想のポイントは、最も基本的な自然権である「自己保存」の権利を各人が確保するため、つまり「平和」を確立するために、理性的に考えてみれば守ったほうがいいとしか思えないようなルールのことを「自然法」と呼ぶのだという点だろう。ロックにおけるように、神が直接に定めるルールではないのである。

 (第2部へつづく)