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むずかしい愛 (岩波文庫)

むずかしい愛 (岩波文庫)
By カルヴィーノ

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  • 発売日: 1995-04
  • 版型: 文庫
  • 222 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
ちょっとしたずれが,日常の風景を一変させる.ときめきと居心地の悪さ.どこからか洩れてくる忍び笑い.それは姿の見えない相手との鬼ごっこに似ている.兵士が,人妻が,詩人が,会社員が,もどかしくも奮闘する,十二の短篇.この連作が書かれた一九五○年代はカルヴィーノの作風の転回点にあたり,その意味でも興味ぶかい.


カスタマーレビュー

寡黙な人々の愛と人生の物語。4
イタリア文学の巨匠カルヴィーノのさまざまな人々の折々の人生を綴った連作短篇集。本書には、タイトルに込められた微妙なニュアンスで愛について、時にユーモラスに、或いは哀感を込めて表現された全部で12の短編が収められています。全編に渡って、ある〜の冒険という題名で統一されており、それぞれが味わい深い人生を感じさせる結末になっています。

『ある会社員の冒険』では、ある奥方と不倫の一夜を過ごした主人公が朝帰りで幸福な気分でいるのですが、会社へ出勤し仕事に忙殺される内に段々と気が滅入ってしまい・・・。『ある近視男の冒険』は、最近心楽しまずにいた男が、原因は目が悪い為だと気づいて、眼鏡を掛ける事で大きな喜びを得ます。そして、彼は久し振りに懐かしい故郷へ帰るのですが・・・・。この話が私には一番身につまされて哀れみを感じました。『ある詩人の冒険』では、ある島に出掛けた詩人の男と友人の美女の話で、詩人は深く思索する性質なので単純に喜びを表現する女を素直に理解出来ずに、次第に気分が陰鬱で重苦しくなって行きます。

どの物語の登場人物達も皆とても寡黙で長い間、沈思黙考して優柔不断で次の一歩が踏み出せない人ばかりです。でも、私にはそんな人生に無器用な人達だからこそ愛おしく思えて、どうか気を取り直して、もう一度がんばってと応援したくなるのです。

日常のなかのときめき、そして戸惑い5
すべてに「ある○○の冒険」という題名がつけられた12編からなる短編集。
イタリアの市井の人々の日常をかすめていくときめきと戸惑いが彼らの「冒険」として語られていく。
人妻の、会社員の、夫婦の、詩人のおかしくそして悲しい奮闘ぶりに彼らへの愛おしさが、ポッと湧いてくる。