カンディード 他五篇 (岩波文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #50252 / 本
- 発売日: 2005-02
- 版型: 文庫
- 552 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
人を疑うことを知らぬ純真な若者カンディード。楽園のような故郷を追放され、苦難と災厄に満ちた社会へ放り出された彼がついに見つけた真理とは…。当時の社会・思想への痛烈な批判を、主人公の過酷な運命に託した啓蒙思想の巨人ヴォルテール(1694‐1778)の代表作。作者の世界観の変遷を跡づける5篇のコントを併収。新訳。
カスタマーレビュー
「こ、これが、た、戦い…。」
仏啓蒙思想家の代表作の新訳。これまで旧訳とペンギンクラシックスの英訳版を愛読してきたが、新訳はその理解を一層深めてくれる。
本書に登場する哲学者パングロスは現代でも欧米のメディアなどで、市場経済至上主義と重ねて風刺の対象とされることもある。パゾリーニの映画は置くとしても、トマス・マン『魔の山』や水林章『「カンディード」<戦争>を前にした青年』(みすず書房)、バーンスタイン『キャンディード』(幾つかの版による録音あり)などを、合わせて読んだり聴いたりすると、極めて単純なあらすじの小説でありながら、この作品の射程が現在までも視野に入ってくることに、戦慄する。
悲惨のかたわらを通り過ぎつつ
2月に、吉村正一郎氏の訳から植田氏の新訳に変更。同時に数編のコントが付される事になりました。
訳者によるあとがきは、文学的魅力と共に思想史的背景、とりわけライプニッツのオプティミスム批判、当時のヨーロッパを襲った大地震の生々しい事実と本作との関連を指摘しています。そのお陰でこのあとがきは、背景を知る為の格好の入門となっています。
ヴォルテールの現実に対するまなざしは、現代における我々も参考にすべきものが含まれていると思われます。ライプニッツに対して余りにも皮相的な意見しか言ってないじゃないか、という批判も出来ます。しかし、悲惨の前で「全ては善」と言い切るような形而上学的解決ではなく、現実的解決を求めようとしたヴォルテールの態度は責めきれるものではありません。『カンディード』は、現代の古典たりうるメッセージ性を強く遺しているように思われます。
きっと得るものがあります。
モームも読書案内で推薦していました。どの話も驚くほどの機知が詰め込まれており一読に値します。よく皮肉といわれますが、作者の考えを代弁する立場の登場人物は決まって自分の身分や教養、容姿に驕ることがありません。私は知識を持たない人に対しても分け隔てなく個人の価値観を尊重する寛容の精神の方が明らかに彼らの精神活動の多くを占めていたと思います。古典だと構えて読む人はきっと彼の柔軟な精神に驚くと思います(古典とはそういうものですが)たとえ彼の精神の片鱗だけにしか触れる事が出来なくても必ず益がある書物です。





