公正としての正義 再説
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #119723 / 本
- 発売日: 2004-08
- 版型: 単行本
- 426 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
『正義論』『政治的リベラリズム』などによってその名を知られる政治哲学者が、規範的理論としての正義論に向けられたさまざまな批判に応答しながら、みずからの理論的全貌と到達点とを簡潔にしめす。八〇年代に始まる理論的転回以降、自説の整合性と系統性を確保すべく格闘した著者による生前最後の著作となった本書は、ハーヴァードでの講義録をもとに加筆・編集したものであり、ロールズの数ある著作を理解する鍵となるものである。
内容(「MARC」データベースより)
現代の政治哲学・倫理学に多大の影響を及ぼした著者が、規範的理論としての正義論に向けられたさまざまな批判に応答しながら自らの理論的全貌と到達点とを簡潔に示した、最後の「正義論」。講義録をもとに加筆・編集。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ロールズ,ジョン
1921‐2002年。元ハーヴァード大学教授
田中 成明
1942年生まれ。京都大学法学部卒。京都大学大学院法学研究科教授
亀本 洋
1957年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程学修退学。京都大学大学院法学研究科教授
平井 亮輔
1957年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程学修退学。京都工芸繊維大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
誰もが政治的義務を負う
パラグラフ形式の論証を延々と積み重ねていく独特のスタイルを持つ本だが、
根気よく読んでいると、はっとするほど純一で強い著者の確信に触れて懐
かしい感じが湧くことが度々あった。愚直に、と言いたいほどロールズはこの
スタイルを貫き通しているが、難解な論理的展開はひとつも無いのに、公正と
しての正義が政治の根底的な、そして唯一の価値だという筋金入りの確信が底
光りを放ち始める様は一読では手におえないような気にさせられた。
人は自由で平等であり、協働して生きているが、この社会の健全な姿が持続
するためには、公正としての正義が政治的に形成されねばならない。しかしな
がら社会的不平等が現実である以上、公正としての正義を政治的に形成する
努力と工夫は、自由で平等でありたいと願う誰もが背負はねばならない義務
なのである。
ロールズの著作の邦訳
ロールズ後期の代表作としては『政治的リベラリズム』があるが、残念ながらまだ邦訳がない。そのことを考慮すると、ロールズが『正義論』から『政治的リベラリズム』に至った経緯を示し、重なり合う合意や安定性の問題など、後期ロールズの思想のエッセンスをまとめた本書の邦訳は非常に意義のあることだといえる。
「公正としての正義」の到達点
法哲学者・井上達夫教授はリベラリズムの本質を正義基底性に求めて「公正」概念を「正義」概念に還元する「正義として公正」論を採用する。ロナルド・ドゥオーキンは手続的正義としての「公正」と実体的正義としての「正義」について,それぞれの概念の独自性を認めて「公正としての正義」論も「正義としての公正」論も排斥する。
これに対して,ジョン・ロールズは実体的正義としての「正義」と純粋な手続的正義としての「公正」の概念を明確に区分した上で,「公正としての正義」として規範的な正義論を構築している。本書『公正としての正義 再説』は,この「公正としての正義」の比較的重大な欠陥を直すことを主要な目的としている。後期ロールズの法哲学の到達点が,本書にある。
本書でロールズが行う理論的変更点は大まかに言って三つある。1.正義の二原理の内容・定式面での変更 2.原初状態から正義の二原理を導き出す過程の変更 3.「公正としての正義」を包括的な道徳的教説の一部ではなく,政治的構想として理解する点での変更。
とりわけ三点目の変更は重大な議論を巻き起こしている。ロールズは自らの正義論に対する批判に応答するために,自らの正義の二原理を政治的構想のレベルにまで撤退・縮小させたが,前期ロールズの考えを維持すべきであったとの見解も強い。
『公正としての正義』『公正としての正義 再説』を両方読んで,両者の見解を比較・検討すると面白いだろう。





