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「赤毛のアン」の秘密

「赤毛のアン」の秘密
By 小倉 千加子

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  • Amazon.co.jp ランキング: #355730 / 本
  • 発売日: 2004-03-26
  • 版型: 単行本
  • 282 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
なぜ「赤毛のアン」は日本で強い人気を保っているのか.カナダでの現地取材を交え,モンゴメリの生涯と創作過程を詳細に論じながら,少女の成長物語,男の子との友情と恋愛,目標としての結婚と幸福な家庭といったテーマが,戦後日本の女性の内面と深く関わっていることを論証し,新しい「アン」像を打ち立てる,決定版「赤毛のアン」論.

内容(「BOOK」データベースより)
なぜ「赤毛のアン」は日本で強い人気を保っているのか。モンゴメリの生涯と創作過程を詳細に追跡し、男まさりの少女の成長の物語が戦後日本の女性の内面と深く関わっていることを論じ、新しい「アン」像を打ち立てる。

内容(「MARC」データベースより)
なぜ「赤毛のアン」は日本で強い人気を保っているのか。モンゴメリの生涯と創作過程を詳細に追跡。アンの成長の物語が戦後日本の女性の内面と深く関わっていることを論じ、新しいアン像を打ち立てる。『イマーゴ』連載に加筆。


カスタマーレビュー

読み込みが一方的すぎる2
旅行中、カナダで会った男性に「モンゴメリは自殺した」と聞いた話から、いつのまにか著者の推測が事実のように語られていきます。この軽いノリの出だしからして、なんで岩波が学術書のような体裁でこの本を出版したのか不思議でした。内容的にも、村岡花子さんの訳文やモンゴメリ日記からの抜粋がやたらと多用されているだけで、自分のフェミニスト理論をサポートするために無理矢理「モンゴメリ」を利用しているだけ、読み込みが一方的、当時の社会・歴史的な考察が欠け落ちている、という印象です。アンの読者で、本当のモンゴメリを知りたい方には日記や伝記、書簡集が日本語訳ででているので、そちらを読んで自身で触れてみることをお勧めします。
結局、自分で調べることもなく一人の著名な学者の説を鵜呑みにして、無用なショックを受けたり、後味の悪い思いをしているアンの愛読者が日本には多すぎるように思います。

決定版にほど遠い 「赤毛のアン論」1
昨年、図書館で借りて読んでみたのですが、大失望でした。
この本は、「赤毛のアンの秘密」という思わせぶりな題名、ハードカバーの落ち着い
た装丁、モンゴメリ作品からの抜粋、心理学や学術的な用語もあれこれ使われ、一見、アカ
デミックな評伝のように誤解させますが、実体はフェミニスト学者の独断と偏見に満ちた
「トンデモ赤毛のアン論」という内容です。事実関係の記述に間違いも多々あることから、この著者は
あまり興味を持ってモンゴメリの文献を読まれていない感じもしました。
カナダで現地取材されたといっても、足早に通り過ぎて「自殺云々」その他の噂話をピックアップ
しているだけという雰囲気です。

とにかく、この本の内容を、すべて「事実」と信じるようなナイーブなモンゴメリ愛読者は、
気分を害するだけなので読まない方がベターです。読んでしまった方は、「フェミニスト
がこんなこと言ってた」、くらいに軽く読み流すのがベストでしょう。この本のあとで、
モンゴメリ日記と伝記「運命の紡ぎ車」を読んだのですが、よけいな解釈がされてない分、
この本の百倍くらいモンゴメリの人生が良く分かると思いました。

フェミニニストが分析したモンゴメリの生涯4
 私にとってアンシリーズは、「はじめて自分で買った文庫本」で、学校の図書館以外の本を読む、という読書の喜びを教えてくれた本です。「アンの青春」「アンの婚約」「アンの愛の手紙」……と、アンが成長して社会人になり結婚していく様子を、ワクワクしながら読んだのは懐かしい思い出です。(念のためお断りしておきますが、私は男性です)
 でも、私の勝手な期待とは違い、本書は明るい話題の本ではありませんでした。

 本書で紹介されるアンの作者(モンゴメリ)の生涯は苦悩に満ちたものでした。
 少女時代のモンゴメリには、将来の幸福が二通り見えていました。
 一つは、作家として人々の記憶に残る作品を書き天才として認められることです。
 もう一つの幸福は、自分の教養と釣り合うだけの知性と職業を持った男性と結婚し、彼に尽くし、多くの子どもを生み育てる家庭を作る幸福です。
 『アン』を書くことによって一応の人気作家になり、結婚して家庭を持ったものの、モンゴメリには文学的天才という満足感は得られません。
 <天才>を目指せば、<女>としての幸福が得られず、<女>として生きるには<天才>への憧れが断ち切れない。それでもなおかつ彼女は、<女>の<天才>になろうと愚直な努力を続けました。それは、夫に尽くし、子どもを育て、その合間に「雷鳴のような神々の声」を聞こうとすることです。
 とうとう、『アンをめぐる人々』の原稿を出版社に渡した直後に、モンゴメリは自殺してしまいました。社会規範にしばられながら作家としての夢を目指すことに疲れたのでしょうか。

 アンの作者がこんなに苦悩に満ちた人生を歩んでいた、ということを知り、大きなショックを受けました。フェミニズムというのは、女性の置かれた厳しい現実の姿を目の前に突きつけるものなのですね。
 女性の置かれた立場について、もう少し考えてみよう、と思わせる本でした。