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教育改革のゆくえ―格差社会か共生社会か (岩波ブックレット)

教育改革のゆくえ―格差社会か共生社会か (岩波ブックレット)
By 藤田 英典

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  • Amazon.co.jp ランキング: #64610 / 本
  • 発売日: 2006-11
  • 版型: 単行本
  • 71 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
本書は、比較的最近の講演のレジュメと記録をベースにして再構成したものです。内容的には、『義務教育を問いなおす』と重複する部分もありますが、原理論的な部分を削除し、構成と議論を再編・簡略化し、安倍政権の「教育再生」構想を含めて、ごく最近の展開・問題を付け加え、例示やエピソードなども多くし、問題の性質や争点を明らかにするように努めました。

内容(「MARC」データベースより)
著者が行ってきた教育改革・教育政策に関する講演のレジュメと記録をベースにまとめた一冊。安倍政権の「教育再生」構想を含めて最近の展開・問題を付け加え、歪んだ改革・政策を軌道修正するための施策や改善策を考察する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
藤田 英典
1944年生まれ。石川県出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、スタンフォード大学教育系大学院修了(Ph.D.)。国際基督教大学教授。日本学術会議会員。教育社会学。国内のみならず海外の教育事情にも通暁した幅広い観点から、近年一貫して、教育格差を広げる教育改革の動向に反対しつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

害をなす改革のための改革4
「反対のための反対」よりもはるかに有害な「改革のための改革」。
著者の言うとおり、教育を取り巻く言論では変えることが善、変えないことが悪といった風潮が蔓延している。

教育分野において危険なことはアメリカやイギリスを手本にした改革を行おうという方向性である。これこそ有害な改革のための改革である。著者もデータを用いて具体的に説明しているように、アメリカやイギリスの教育改革は失敗と言っても言いレベルのものである。管理主導・政治主導という方法論や派手な見た目に幻惑されるだけの有害なものである。外国のモデルを導入するなら地味であっても堅実なフィンランドやシンガポールを参考にすべきである。

しかし、そもそも外国をモデルにする必要があるのかというのが著者の意見であろう。TIMSSやPISAといった国際的な学力テストでは日本は間違いなく高水準にある。少なくともアメリカやイギリスよりは遙かにましな状況である。基礎学力の向上が世界的な潮流となっている現在、日本の教育モデルが世界から参考にされているのに、モデルとなる日本が潮流と逆行した改革に乗り出しているのは悲喜劇といえよう。

これまで義務教育の充実に力を注ぎ、基礎学力の形成と国力の増強に寄与した日本の教育。昨今盛んな格差社会論の解決には基礎教育の充実こそが最良の処方箋(即効性は全くないがこれ以上の策はない)であるのに、格差社会を助長するような方向へ教育が進みつつあることに著者は危機感を抱いている。ここでこそ変えない勇気を発揮して世界のモデルとなる教育政策を実現を期待したい。