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公立小学校の挑戦―「力のある学校」とはなにか (岩波ブックレット (No.611))

公立小学校の挑戦―「力のある学校」とはなにか (岩波ブックレット (No.611))
By 志水 宏吉

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  • Amazon.co.jp ランキング: #55533 / 本
  • 発売日: 2003-12
  • 版型: 単行本
  • 71 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
2002年に刊行し話題を呼んだブックレット『調査報告「学力低下」の実態』において明らかになった,子どもたちの学力の全体的な低下と階層間格差の広がり.学校に今できることは何なのか.同報告において特筆すべき例として挙がった「効果のある学校」の姿を,実地での調査・聞き取りをもとに描き出す.


カスタマーレビュー

子どもに力をつける学校運営5
 1959年生まれの学校臨床学研究者が、布忍(ぬのせ)小でのフィールドワークをもとに、2003年に刊行した本。大阪府松原市立布忍小学校は、中規模の同和教育推進校であり、家庭的に恵まれない子が多い中、学力格差が小さいことで知られる。著者はその原因を、教職員集団のチームワークと集団づくりの原理に基づく、基礎学力の保障に求める。教職員集団のチームワークとは、教職員が公式・非公式の綿密な打ち合わせによって子ども像を共有し、それに基づき協働すること(子どもにとって良いのか悪いのかという基準だけが重要で、後は個々の教職員が柔軟に動く)であり、家庭・地域・OBもそれを下支えする。集団づくりとは、校内での遊びを重視すると同時に、教師集団が子どもの良さを見つめ、人間不信の子をこそ学級の中心に据え、愛情と冷静さをもって、他人を傷つける言動には徹底して怒り、子ども同士の歪んだ関係を修正する形で教師が関わることである。そうした実践の上で、子どもが素直に分からないといえる雰囲気をつくり、学校での学びと家庭学習とを有機的に関連づけ、昼休み・放課後学習やコース別学習(テスト結果に基づく子どもの自己選択による)等で、二重三重に子どもの基礎学力を保障し(したがって結構厳しい側面もある)、また基礎的な内容のテストを通じて指導内容の反省も行われる。その上で、応用学習として、実社会での聞き取り調査中心の、人権総合学習等もなされている。このように、布忍小の教育は、形式的平等主義を徹底的に排除した、仲間と共に歩む教育と見ることができ、日本の公立学校教育の一つのモデルともなり得るものであると著者は言う。全体的に同校の教育を美化する傾向があるようにも感じられるが、叙述は具体的であり、教育について多くの示唆を与える本である。

しんどい子を見放さない基礎学力の公立名門校、すごい!5
うすっぺらいブックレットですが(70ページぐらい)、綿密なフィールドワークによって布忍小学校の挑戦と実践が詳細に、そしてとても具体的に記録されていて、布忍小の子どもたちや先生方の様子が浮かんでくるような感じさえします。 一人の子どもが入学してから卒業するまで、学校全体で、教師全員で、一貫した教育理念と徹底して共有されたビジョンで育むという姿勢をもった公立小学校がどのぐらい存在するだろう。。。 子ども全員に基礎学力を保証し、おちこぼれを作らない何層にもわたるセーフティーネット、先生方のコミットメントは脱帽ものです。 父親の学歴が高い子どもも低い子どもも同じぐらいの理解度、習熟度を達成ているのにも大変驚きました(大阪でいう「しんどい子」がたくさんいる学校なのに)。ほかのレビューアーさんが本書のポイントを丁寧にリストアップしてくださっているので、繰り返しませんが、教育に携わる人たちにはぜひ呼んでもらいたいと思いました。 

一つ感じたことは、どうやったらこういう「力のある学校」を増やしていくことができるのか、ということです。 本書を通じて一貫して感じたことは布忍小という一小学校が地域の問題などを抱えながら自分たちで解決策などを模索、実践、総括(いわゆる Plan Do See)を繰り返した中で達成した「成功例」だということで、じゃあ行政はこういう学校を増やす、あるいはこういう学校が増えていく(自分たちで努力するなりして)ために、何ができるのか。よくこのような「スター校」は点在しますが、なんとなく広がっていかないという印象があります。 布忍小の成功の土台は教師集団のチームワークと著者は書いています。 教師力を高める努力をすることが行政の大事な仕事かもしれない。。。本書はそのような目的で書かれたものではないので、当然そういうことに言及していませんが、読んでいて自然にそう思いました。 でもとりあえず布忍小の子どもたち、先生方、地域の方に拍手!