仰臥漫録 (ワイド版 岩波文庫)
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商品の詳細
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- 発売日: 2002-09-18
- 版型: 単行本
- 195 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
子規が,死の前年の明治三四年九月から死の直前まで,折々に書きとめた日録.日々三度の食事の献立から病苦と死の恐怖への煩悶に至るまで,病床生活を,俳句,水彩画等を交えて赤裸々に語った稀有な生活記録.読みすすむにつれ,命旦夕に迫る子規の心境が何の誇張も虚飾もなくうかがわれて,深い感動に誘われる. (解説 阿部 昭)
内容(「BOOK」データベースより)
子規が、死の前年の明治34年9月から死の直前まで、折々に書きとめた日録。日々3度の食事の献立から病苦と死の恐怖への煩悶に至るまで、病床生活を、俳句、水彩画などを交えて赤裸々に語った稀有な生活記録。読みすすむにつれ、命旦夕に迫る子規の心境が何の誇張も虚飾もなくうかがわれて、深い感動に誘われる。
カスタマーレビュー
透徹した子規の魂
子規が没する前年の九月から明治三十五年の死する直前まで記した日記。
これは、新聞などで公開する意図で書かれたものではないので、墨汁一滴や病床六尺とは一味違った子規の思想や生活が垣間見る事ができて大変興味深い。
カラーで無いのが残念だが、子規の写生に基ずき描いた草花や果物の絵も載っており、記した毎日の献立を見ていると子規のその健啖ぶりに驚かずにはいられない。日々煩悶、号泣しながらも野心を捨てず己を奮立たせ闘っていた子規の姿には現代を生きる私達に多くの事を与えてくれる。是非読んで下さい。
文学者捨て身のテロ
不思議な本だ。
延々と続く病床の献立と日記に、深遠なる文学への造詣、神々しさをもそこに見るのは何故だろう。
本書では、
>_月_日 晴
>朝飯 ぬく飯四椀 佃煮 なら漬 葡萄三房
>午飯 まぐろのさしみ 粥一椀半 みそ汁 なら漬 梨一つ
>便通
>間食 牛乳一合ココア入 菓子パン
>夕飯 粥三椀 どじょう鍋 焼茄子 さしみの残り なら漬
まさにこの列記の"抑揚"の中に、全てが収斂されているといえよう。
病は、生を丸裸にする。食すことが自己目的化された一次元で、本能のままに日々大量の飯を貪るばかりの子規。その強かとさえいえる自らの生の委曲を、彼は取り繕うことなく筆致する。この記述が(優秀な)文学としての体面を保つというすごさは、読み取るまでもあるまい。究極のアーカイブ、それでいて所々ほんとに可笑しくて笑いさえ起こるのは、いったいどういうわけなんだろう。
たった人間ひとりが生き死にするということの躍動を、映像でなく、音でなく、また口語でもなく、まさしく活字において表現せしめた媒体として、その表現者の魂を余すとこなく感じるに致るものであった。
いやはや太宰の人間失格といい子規の仰臥漫録といい、孤高の文学者捨身のテロである。
「生きたい」という執念
子規がその死まで書き続けた日記なのだが子規の作品云々ではなく僕はこの本に子規の「生」へ執念を感じた。
子規はご存知の通り肺結核によって亡くなるわけですが、当時としては不治の病であり衰弱も激しかったはずなのです。しかし子規は三食きっちりと食べ、かつ生物も多く食べています。この時の子規の気持ちは考えて余りあります。病床にあり外出もできないそれでも句を書きたい…子規がこうまでして食べ物に執着し続けたのは子規の「生きたい…死にたくない」という気持ちの現れだと思います。




