イラスト西洋哲学史(上) (宝島社文庫)
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(3 カスタマーレビュー)
なぜかというと、哲学に大切な「素朴な疑問」の部分に十分にページを割いていないからだ。なぜそんなことを問題にするのか、ということがよくわからないままに哲学者の思想を読み進めていっても、気持ちがそれてしまうからであろう。
そして、哲学特有の言葉の厳密な使い方が邪魔をして、ざっくりと「だからどういうことよ」という大局を伝えるのに失敗していることが多い。最悪なのは、ただ時間軸に哲学者を並べただけのような哲学史の本だ。
小阪修平は、いわゆる学者ではなく在野の哲人であり、この本では平易な短い文章で核心を突く説明をしてくれる。数千年にわたって西洋の人々が問題にしてきた哲学の諸課題に対し、いろんな哲学者がいろんな考え方でアプローチしようとしてきた流れがわかりやすく書いてある。ひさうちみちおの扇情的かつ印象に残るイラストも素晴らしい。
もともとは1984年に単行本で出た書籍であり、やはり単行本で大きな活字で読んだ方がイラストや文字が生きているように思う。残念ながら文庫本になり、上下巻に分かれてしまって、単行本の良さが薄れてしまった感がある。
それでも、ギリシャ哲学から現代思想までを「素朴な疑問」を軸に説明しているこの本は、中学生や高校生で哲学に興味を持った人や、興味はなくても大学で哲学の授業を受ける時の事前知識として読むには最適の書である。
商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #308661 / 本
- 発売日: 2008-09-03
- 版型: 文庫
- 204 ページ
エディターレビュー
内容紹介
在野の哲学者・小阪修平(2007年逝去)の処女作にして最大のヒット作『イラスト西洋哲学史』ついに文庫化! 上巻は、哲学の始まり・ギリシアから中世のスコラ哲学まで。とくにギリシア哲学についてはターレスやヘラクレイトスからプラトン、アリストテレスにいたるスーパースターたちの思考過程を細かくたどり、人間の意識や精神の進化史として再構成。彼らがなぜ、なにを追及していたのかを、二千年の時間を超えて共有する!
内容(「BOOK」データベースより)
哲学は古代ギリシアから始まった。この世界はいったいなんなんだ、という疑問を徹底的に考え詰め、眼に見える世界を「水」とか「火」とか、一つの原因に還元してゆく思考は、どのようにして生まれたのか?そして、その後に現れたプラトンやアリストテレスといった巨人たちが、なぜ「形而上」の世界と格闘したのか。「意識の進化史」といってもよい西洋哲学史のスリリングな旅が始まる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小阪 修平
1947年生まれ。66年東大に入学するも、全共闘運動の余波で本郷へ行かずに中退。以後五年のルンプロ生活を経て、79年から「流動」「宝島」等にモノを書きはじめる。主な関心領域は、マルクスからマンガ・SFまで世界すべて。2007年没
ひさうち みきお
1951年京都生まれ。血液型不明。河合玲デザイン研究所出身。染色図案のアルバイト等を経て上京。76年8月号の「ガロ」に、目蒲線西小山から投稿した作品が入選。以後、そのスクリーン・トーンを使わないていねいで美しい線画と欲情的な作品で熱烈なファンを獲得。京都在住。2008年現在、マンガ家・俳優として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
