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映画館と観客の文化史 (中公新書)

映画館と観客の文化史 (中公新書)
By 加藤 幹郎

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  • 発売日: 2006-07
  • 版型: 新書
  • 302 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
映画はいったいどこで見るべきものなのだろうか。ホームヴィデオの普及以降一般的になった、個人的な鑑賞は、果たして映画の本来的な姿から遠ざかってしまったものなのだろうか。本書は、黎明期から今日までの一一〇年間の上映形態を入念にたどりながら、映画の見かたが、じつは本来、きわめて多様なものだったことを明らかにする。作品論、監督論、俳優論からは到達し得ない映画の本質に迫る試みである。

内容(「MARC」データベースより)
映画は、どこでどのような形で見られてきたのか。黎明期から今日までの110年間の上映形態を入念にたどりながら、映画の見かたが、じつは本来、きわめて多様なものだったことを明らかにし、映画の本質に迫る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
加藤 幹郎
1957年(昭和32年)、長崎市生まれ。映画批評家、映画学者、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。京都大学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

おもしろい!5
映画はどういった環境で観られるのか。
なかなか無い観点からのもので
学術書といいながらも
文章も読みやすく
とても面白かったです!

おおまかには世界、日本の
映画環境の通史といったところで
その点に興味の無い方だと
読み進むのは厳しいかもしれません。

まず間違いなく一番面白かった本5
観客と映画を結ぶ「映画館」という媒体を通して見た映画史の試み。これは面白い本だった。普通の映画史の本に載っていないような話を、ずいぶんたくさん知ることができた。初期の映画館(ニッケルオデオン)ではスライド映写される歌詞に合わせて観客全員が大合唱をしていたなんて、普通の映画史の本には決して載っていない。「観客が歌う」という行為は映画と直接関係ないので、映画史からは排除されてしまうのだ。ファントム・ライドというバーチャル列車の興行もしかり。こんなものは普通の映画史の本では、まず絶対にお目にかかれない。著者は映画批評家なので、目の前の現象と切り結ぼうとする言葉の閃きが時折見られることがあるのだが、新書というサイズの問題もあって、この本のではそれは最小限に留められている。むしろそれが、この本のスピード感につながっているようにも思う。著者個人の解釈や考察より、まずは映画館における映画受容の変遷という事実そのものが、僕には興味深く面白いものだったからだ。 他の映画史の教科書ではあまり知ることができなかった事柄の他にも、今まで映画史の中の言葉として漠然と知っていても実態がよくわからなかった事柄について、細かく記しているのはありがたい。例えばそれは、本書冒頭にあるパノラマ館についての記述だったり、ドライブインシアターについての細かな記事だったり、日本映画初期の連鎖劇についての記事だったりする。最近読んだ映画関連本の中では、まず間違いなく一番面白かった本だ。この著者の本を読むのはこれが初めてだったんだけど、他にも読んでみようかな〜。

目から鱗が落ちた映画論5
110年の映画史の中で映画館(映画上映装置)にこんな色んな種類があって、それらがそれぞれほんとに色々なプレゼンテーション方法を採用していて、それとともにどんな風に観客の欲望を分節していたのか、その歴史を大づかみに、ときには繊細な分析とともに解説していて目から鱗が落ちた。映画論が、従来の作家論や作品論や俳優論ではない、まったく新しい観点から形成されていて、これも目から鱗。これは新しい発見に充ち満ちた日米映画館=観客比較文化論だ。